家の外観は外構で変わる!家をひきたてるおすすめテクニック5選
家をつくるときはかっこいい外観にしたいですよね。
でも、外観デザインを良くするために間取りや屋根形状を変えたり外装材をグレードアップをしたりするとかなりのコストがかかります。場合によっては数百万円もの建築費用が変わることも。
家の外観デザインを良くするのは簡単ではありません。
そこでおすすめなのが『外構で家の外観をデザインする』という手法です。
外構で家の外観を見栄え良く見せるのにはそこまで金額はかかりません。それだけでなく、家の形や外装材を工夫するよりも効果的なケースも多々あります。
具体的な手法は以下の5つです。
- シンボルツリーにこだわる
- アプローチにこだわる
- 門塀にこだわる
- テラスにこだわる
- カーポートにこだわる
それぞれ詳しく解説します。
シンボルツリーにこだわる
引用:https://www.garden.ne.jp/
シンボルツリーがあると家はかっこよく見えます。
家と植栽はとてもバランスが良いからです。木を植えていない展示場はほとんどないことからも植栽の重要性がわかります。
具体的な手法や注意点は以下の通りです。
- 高さはできれば4m以上
- 落葉樹がおすすめ
- 玄関まわりが効果的
- 株立ちがかっこいい
- 立地に合わせて樹種を選定
- おすすめの樹種
高さはできれば4m以上
引用:https://suumo.jp/
シンボルツリーはできれば4m以上の木を選定しましょう。
3mくらいの木でも存在感はありますが、4mくらいのボリュームがあった方が外観のアクセントになるからです。
木が成長するまで造園屋さんが育てる手間が必要なため大きい木ほど高くはなりますが、せいぜい5〜8万円ほど。家の形や外装材の変更に比べたら安いものです。
道路からよく見える場所に一本シンボルツリーがあるだけで家の外観は見違えてみえます。
落葉樹がおすすめ
引用:https://www.ikujyuen.com/
シンボルツリーは落葉樹がおすすめです。
なぜなら常緑樹よりも落葉樹の方が木の形がきれいだからです。この木の形のことを樹形といいます。
落葉樹は冬になると葉が落ちますが、樹形がきれいだと葉が落ちて枝だけの状態でも見栄えが良いです。また、紅葉や落葉が季節を感じさせてくれるためとても風情があります。
デザインのために植える樹なら、樹形がきれいで季節感のある落葉樹を選びましょう。
玄関まわりが効果的
シンボルツリーは玄関に近くに配置しましょう。
玄関の近くに配置すると道路から見たときも目立ちますし、朝出かけるときや夜に帰宅したときにも目に入ります。
門柱や下草低木などと組み合わせてライトアップをするとなお良いです。デザインに加えて玄関までのアプローチを明るくして安全面にも配慮した設計ができます。
シンボルツリーは玄関アプローチまわり、門柱まわりに配置することでさらに雰囲気が良くなります。
株立ちがかっこいい
引用:https://green-rocket.jp
株立ちの木を選びましょう。
理由はシンプルで、株立ちの木の方がかっこいいからです。
幹立ちの木は安定感がありますが、少し重たい印象になります。街路樹などを想像するとわかりやすいです。
家の外観をひきたててくれるかっこいい植栽を選びたいなら株立ちの木を選びましょう。
立地に合わせて樹種を選定
立地などの諸条件に合わせて樹種を選択する必要があります。
なぜなら周りの条件によって育ちやすい木とそうでない木があるからです。環境に合っていない木は育ちが悪く、枯れてしまうこともあります。
たとえばシマトネリコはかなり成長のはやい木なので南側に植えると大きくなりすぎます。また、ヒメシャラは日が当たり過ぎると良くないので家の西日が強くあたる場所に植えてはいけません。
デザインだけでなく、日当たり、交通量、隣家との距離などを考えて樹種を選ぶ必要があります。
おすすめの樹種
シンボルツリーにおすすめの樹種は以下の通りです。
【落葉樹】
ヤマボウシ……樹形がきれい。白い花や赤い実が特徴。
ヤマモミジ……紅葉がきれい。おなじみの葉の形が特徴。
アオダモ……樹形がきれい。落葉しても枝ぶりが絵になる。
【常緑樹】
シマトネリコ……常緑樹とは思えないほど樹形がきれい。成長がはやい。
シラカシ……美しい木で目隠しをしたいという方におすすめ。どんぐりの木。
ソヨゴ……日が当たらない場所でも植樹可能。成長がゆるやか。
アプローチにこだわる
アプローチにこだわると家の外観デザインはぐっとレベルアップします。
アプローチは屋外とエントランスをつなぐ動線です。外から見るだけの人も、家を訪ねてきた人も、その家の住人もしてもよく目に入ります。
アプローチは以下のような工夫でデザイン性を上げることができます。
- シンプルな動線を設計する
- 仕上げの種類
- うき階段で立体的にみせる
- 照明でアクセント
- 雨の日の表情を楽しむ
シンプルな動線を設計する
引用:https://www.suumocounter.jp
玄関アプローチはシンプルな動線にしましょう。
シンプルな動線の方が使いやすく、デザイン性も高いからです。
複雑な動線にすると使い辛いだけでなくコストも上がってしまいます。
動線はシンプルに計画して、機能的ですっきりと見えるアプローチにしましょう。
仕上げの種類
アプローチの仕上げにこだわりましょう。
道路から家を見たとき、家よりも手前にあるのがアプローチだからです。アプローチまわりの床仕上げや塀の仕上げは家の外壁以上に目立つこともあります。
そして家の外装材を変えるよりはるかにコスパが良いです。外壁面積よりも塀の面積の方が小さいですよね?タイルなどの高級な外装材を効果的に使うことができます。
家の外装材を変えるよりアプローチの仕上げを変えることを先に検討しましょう。
うき階段で立体的にみせる
引用:https://www.pinterest.jp/
アプローチに階段があるときは浮き階段を検討してみましょう。
階段の板が浮いているように見えるだけでアプローチがとても立体的に見えます。見た目の変化もついてとてもおしゃれに見えます。
うき階段は石材や10ミリほどの厚みのタイルを用いて計画することができます。安価に抑えるならカラーコンクリートなどで作った部材もあります。
階段があるときは浮き階段を検討してみましょう。アプローチが華やかになります。
照明でアクセント
引用:https://gardenstory.jp/
アプローチには照明を検討しましょう。
ライトがあれば昼とはちがう設えを楽しむことができるからです。植栽をライトアップしたりアプローチをライトアップしたりすることで趣が生まれます。
ライトを1つか2つつけてもせいぜい3〜4万円です。特別な材料を使わなくても光だけでアプローチをデザインできます。
つい昼だけの見た目を気にしがちですが、アプローチは夜の表情もとても大事。照明を使えば夜のアプローチのデザインは簡単です。
雨の日の表情を楽しむ
引用:https://roomclip.jp/
アプローチの床仕上げによっては雨の日の表情も楽しむことができます。
御影石や溶岩石はぬれると色が変化し、灰色から黒っぽくなります。いつもとは違うアプローチになり、がらっと違う印象を与えてくれます。
そのため料亭や旅館では写真を撮る前に水をまくこともあります。
ぬれた方がかっこいい素材を使用すると、雨の日も楽しむことができそうです。
門塀にこだわる
門塀はアプローチ同様にデザインを楽しめる場所です。
門塀には表札や郵便ポストをつけるため、道路側、目立つ場所に必ず計画します。それだけにデザインにこだわると効果の高い場所でもあります。
門塀を計画する際には以下のことに気をつけましょう。
- 外壁よりも目立つ
- 汚れに注意
- アイストップ効果をねらう
外壁よりも目立つ
門塀は外壁よりも目立ちます。
門塀は家よりも道路側にあるからです。
家をシンプルに真四角で作り、門塀を大きくしたり仕上げを変えてデザイン性を高めたりすることで低コストで高級感のある外観を作れます。
家だけではなく、門塀まで含めた外構で家をデザインする必要があります。
汚れに注意
門塀につく汚れには注意が必要です。
家の外壁と違い、門塀には屋根がかかっていないからです。
白い壁なら雨垂れが目立ち、黒い壁なら白華が目立ちます。できればタイルなどの汚れがつきにくい素材を選び、笠木を取りつけて雨垂れがつきにくいようにしましょう。
すぐに掃除ができるからと侮らず、防汚性の高い門塀にして掃除の手間を減らす必要があります。
アイストップ効果をねらう
引用:https://www.pinterest.jp/
門塀でアイストップ効果をねらいましょう。
アイストップとは、見せたくない場所を完全に隠さず、目が止まるような場所を設けることで視線をずらしてプライバシーを確保する手法です。
門塀はアイストップに最適です。効果的に設けることで品よく部屋の窓やお庭のプライバシーを確保することができます。シンプルなアプローチ動線の途中に自然に設けるのがコツです。
アイストップ効果を活用し、門塀で品良く視線をコントロールしましょう。
テラスにこだわる
テラスは庭と室内をつなぐ重要なスペースです。
素材や形にこだわり、見た目だけでなく庭の活用方法にも大きな影響を及ぼします。
テラスを計画するときは以下のようなことに注意しましょう。
- フラットテラスで広がりを
- 質感はウッドデッキがベスト
- お手入れはタイルデッキがベスト
フラットテラスで広がりを
室内の床とフラットで段差無しのテラスにするとより広がりを感じることができます。
室内から見たとき、数センチでも段差があると床の広がりがダウンするからです。段差はない方がつまずく心配も少なく、掃除も楽です。
テラスの高さやサイズを工夫すれば庭と室内を自在につなげることができます。
質感はウッドデッキがベスト
質感はウッドデッキが最もおすすめです。
本物の木は見た目も足触りも良いです。照り返しも少なく真夏でも温度が上がりすぎないため、機能的です。
ただし、メンテナンスが必要なのは難点です。毎年防腐剤を塗る必要があるため、面倒くさがりな方には向きません。
質感にこだわるならウッドデッキがベストですが、後々の手間も考慮して選定しましょう。
お手入れはタイルデッキがベスト
お手入れはタイルが最も楽です。
焼き物のタイルは言うまでもなく丈夫で、メンテナンスが必要ありません。掃除のときも傷みなど気にせずにブラシでゴシゴシこすることができます。
難点は照り返しです。真夏の高い日差しは室内にはほとんど入りませんが、タイルに反射した光は室内に入ってきます。また、真夏は裸足で歩くと火傷するくらいまで温度が上がります。
タイルにするときは庇の計画が必須です。対策ができているかどうかをよく検討しましょう。
カーポートにこだわる
カーポートをつけるからといって外観をあきらめていませんか?
今はデザイン性の高いカーポートもたくさんあります。目立つカーポートだからこそこだわりましょう。
カーポートを選ぶ際は以下が注意点です。
- 一般的なアーチ屋根は最も安価
- スッキリみえる片流れ
- 柱が少ない後方支持
- 木調タイプは更にデザイン性アップ
一般的なアーチ屋根は避けよう
みなさんがイメージしている一般的なカーポートはアーチ型の屋根ですよね?
アーチ型のカーポートが最も安いです。必要な強度を確保するのに最も効率的な形だからです。
目立たない場所に計画するカーポートなら安価なアーチ型で問題ないですが、よく見える場所ならアーチ屋根は避けたいところです。
見える場所なら一般的なアーチ屋根は避け、家の外観を損なわないように計画しましょう。
スッキリみえる片流れ
片流れの屋根形状はスッキリ見えます。
片流れの屋根は道路から見たときに一直線に見えるためです。アーチ屋根よりはコストは高いですが、数万円の差です。
雨の日は片側に雨が集水されるため注意しましょう。大雨のたびに玄関側や部屋の窓側で雨があふれると厄介です。
あまりコストをかけずにカーポートをすっきりさせたいなら片流れ屋根がおすすめです。
柱が少ない後方支持
引用:https://exterior-mie.jp/
カーポートの柱を減らすことができるのが後方支持タイプのカーポートです。
通常の2台分のカーポートは4本の脚で屋根を支えますが、後方支持タイプは後ろの2本だけで支えます。駐車の際やドアの開閉のとき、柱が邪魔にならずに便利です。
ただし、前方柱がない代わりに後方の柱から吊る形で屋根を支えているため、通常のタイプよりも高さが必要になります。
木調タイプは更にデザイン性アップ
引用:https://www.tsg-life.net/
木調部材が入るとさらにデザイン性がアップします。
カーポートのほとんどはアルミ素材で作られています。そのためシルバーやブラックなどの単色になりがちですが、そこに木調色があると良いアクセントになります。
そしてカーポートはどの部材よりも道路側にあります。そのカーポートの天井や軒まわりにアクセントが入るととても目立ちます。
金額は高価ですが、木調のカーポートが外観に与える効果は抜群です。
まとめ
家の外観をよくしようとするときは外構にも目を向けて見ましょう。
- 大きくて樹形がきれいなシンボルツリー
- シンプルで素材にこだわったアプローチ
- 視線やデザイン性を考慮した門塀
- 庭と室内をつなげるテラス
- すっきりした屋根形状のカーポート
これらをうまく計画し、限られた予算で家の外観をデザインしたい方は建築家に相談をしてみましょう。