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建築コラム

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家具

2023.01.05

家具について考える。建築士が家具選びのコツを紹介!

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家具は建築を考えるうえでとても重要です。空間を有効に使い、住まい心地を考えるうえでは家具の検討は欠かせません。


しかし家具選びはとても難しく、買ったあとに後悔している人が多いのも現状です。買う前はわからなかったけど、いざ使ってみて気づいたということがたくさんあるからです。


そこで建築家がおすすめする家具選びのポイントを解説します。機能や使い勝手を考えたときに気づきにくいこと、重要なことなどを以下にまとめています。


  • ソファ
  • ダイニング
  • テレビ台
  • ベッド

ソファのおすすめ提案


建築家がおすすめするソファの提案は以下の通りです。


  • 洗濯ができるカバーリング
  • ゆったりできる1人掛けソファ
  • 高い背面か広い座面

洗濯ができるカバーリング


ファブリックのソファを選ぶならカバーリングタイプを選びましょう。


カバーリングなら外して洗濯ができるからです。家で洗えるタイプは少ないですが、クリーニング屋に持ち込んで洗濯できるだけでもかなりメンテナンスが楽になります。


また、カバーリングなら生地だけ新しく購入をすることもできます。洗っても汚れが落ちないとき、破れたとき、色や柄に飽きたときなどはカバーだけ購入できたら便利です。


生地は必ず汚れます。後々のお掃除やメンテナンスのことまで考えてカバーリングのソファを選びましょう。


ゆったりできる1人掛けソファ


1人掛けソファはゆったりと座って寛ぐことができます。


一般的な2シーターや3シーターのソファと比べて、1人掛けソファの方が1人あたりのスペースが大きいからです。

一般的なソファの一人あたりの幅は60センチ前後、つまり3シーターのソファなら180センチのクッションに10センチずつアームがついて200センチ幅などが一般的です。

これに対して一人掛けのソファは80センチ前後のクッションが付いていることが多いです。


また、1人掛けのソファを横並びに置いたら並んでテレビを見たり映画を見たりすることもできますし、商品によっては連結して2シーターや3シーターにできるものもあります。


ソファといえば数人掛けのボックスソファを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、一人掛けのソファを贅沢に使うのも快適なリビングを作るコツの一つです。


高い背面か広い座面


ゆっくりと座れるソファの特徴として、高い背面と広い座面があります。


高い背面のソファは背中や首をしっかりと支えるため、リラックスした姿勢で座ることができます。

広い座面のソファは自然と寝そべるような姿勢になるため、ゆったりと座ることができます。


ソファを部屋の真ん中に置く場合、高い背面のソファだと空間を圧迫してしまいます。この配置のときは、背面が低いソファの方がおすすめです。

ソファを壁にそって置くときは空間を圧迫しないので高い背面のものを選んでも良いと思います。


空間にも溶けこんで快適に座れるソファを選ぶためには、背面と座面のサイズにこだわりましょう。


ダイニングのおすすめ提案


建築家がおすすめするダイニング選びの提案は以下の通りです。


  • 必要なテーブルサイズ
  • 椅子は重さや動かしやすさが大事
  • テーブルはオイル仕上げがおすすめ
  • ベンチは意外と不便

必要なテーブルサイズ


必要なテーブルサイズを検討しましょう。


テーブルサイズによって照明の位置や空間の広さが決まるからです。必要なテーブルサイズとともに必要な空間の広さも考える必要があります。


食事を考えたときの一人あたりの最低寸法は幅60センチ、奥行き40センチほどです。できれば幅75センチ、奥行き45センチほどあるとゆったりと食事ができます。

つまり、4人掛けテーブルは最低120×80センチ、できれば150×90センチ程が目安となります。


テーブルを大きくしすぎるとテーブルの周りが狭くなります。必要なサイズを検討しつつ、部屋とのバランスも考えましょう。


椅子は重さや動かしやすさが大事


椅子はデザインだけでなく、重さや動かしやすさも考慮しましょう。


重すぎたり動かしにくかったりすると椅子を戻しにくくなるからです。椅子が戻しにくいと引いた状態のままになりやすく、部屋が散らかって見えたり通路の邪魔になったりします。


特にアーム付きの椅子は重いので注意しましょう。また、デザイン上持ちにくい椅子もあります。購入する際は椅子を実際に動かしてみて引く、戻す動作を実際にやってみて動かしやすいか事前にシミュレーションをしてみましょう。


椅子の重さは意外と見落とされがちですが、使い勝手に大きな影響を及ぼします。


テーブルはオイル仕上げがおすすめ


テーブルはオイル仕上げがおすすめです。


理由は見ても触ってもオイル仕上げは質感が高いからです。ツルツルに仕上げているウレタン塗装のテーブルと比較すると天然木らしさが全く違います。

そしてもう一つの理由はテーブルについた傷や落書きをセルフメンテナンスできれいにすることができるからです。ちなみにウレタン仕上げのテーブルは家具工場でしか補修ができません。


具体的なセルフメンテナンスの方法は以下の3ステップです。

  1. サンドペーパーで削る
  2. オイルを塗る
  3. 乾かす

サンドペーパーは#240~#320ほどの細かい番手を使用しましょう。粗い番手はテーブルに傷をつけてしまう可能性があるので使用を控えましょう。木目に沿って、汚れや傷が見えなくなるまで丁寧に削ります。

オイルはムラにならないようにフロスで拭きとりながら薄く伸ばします。削ったところは特に入念に重ね塗りしましょう。

あとは乾かすだけ。完全に乾くまで半日ほどかかります。


オイル仕上げならいつでもメンテナンスが可能なため、傷や落書きを気にせずに使用できます。意外に思われますが、小さなお子様がいるご家庭ほどオイル仕上げがおすすめです。


ベンチは意外と不便


ダイニングチェアの代わりにベンチを使用することがありますが、ベンチは使い勝手が良いとはいえません。


なぜなら、ベンチは横並びに座っている2〜3人がシートを共有しているからです。ベンチをテーブルから離したり、テーブルに寄せたりするときに一人の意志だけで自由に移動することができません。


子どもが小さいうちはベンチで済ませるというケースもありますが、小さい子どもこそ不自由が多いベンチで食事をするのは難しいという見方もあります。


一方でベンチには背もたれがないのでスッキリしている、少ないスペースでたくさんの人数が座ることができるというメリットもあります。使用頻度や使い方に合わせて選択しましょう。


テレビ台のおすすめ提案


建築家がおすすめするテレビ台の提案は以下の通りです。


  • リモコン操作ができるか
  • フロートタイプは掃除が楽
  • 造り付けは掃除が楽
  • テレビ台を置かないという選択肢

リモコン操作ができるか


テレビ台はリモコン操作ができるかを確認しましょう。


扉付きのテレビ台はリモコンが通らないものもあります。リモコン操作をするたびに扉を開けるのは大変な手間になるかもしれません。


扉無しのオープンなテレビ台ならこのような心配はありません。しかし、オープンなテレビ台はレコーダーがほこりをかぶりやすく、配線が見えてしまいます。


ガラス扉はもちろん、板扉でもリモコンに対応している商品はあります。テレビ台を購入する際はリモコン対応かどうかを必ず確認しましょう。

フロートタイプは掃除が楽


フロートタイプのテレビ台は掃除が楽です。


掃除機をかけるときに、フロートタイプならテレビ台が邪魔になりません。テレビ台に限らず、フロートタイプの家具はスムーズに床の掃除をすることができます。


フロートタイプの家具は壁に固定するため、後から移動が難しいことや壁に下地補強が必要という注意点があります。しかし、テレビ台の位置は配線の関係などもあるためそう変わるものではありません。


商品の数は少ないですが、見た目がすっきりして掃除が楽なフロートタイプのテレビ台はおすすめです。

造り付けは掃除が楽


フロートタイプでなかったとしても、造り付けのテレビ台であれば掃除はかなり楽です。


理由は、造り付けのテレビ台は壁との隙間がほぼないからです。テレビ台と後ろの壁との隙間に埃がたくさんたまっているのを見たことがある人は多いと思いますが、造り付けならこの隙間がなくなります。


造り付けにするときはテレビとテレビ台のサイズのバランスを確認しておきましょう。テレビ台はテレビよりも大きくないとバランスが悪いです。

目安としては50型なら180センチ、60型なら200センチの横幅のテレビ台を選びましょう。

テレビ台を置かないという選択肢


テレビ台を置かないという選択肢があります。


テレビ台を無しにするためには以下3つの選択肢があります。


  • テレビを置かない
  • テレビの代わりにプロジェクターを計画する
  • レコーダー内臓型のテレビを壁掛けで計画する

テレビを置かない


最近はスマホやタブレットで手軽に動画が見れます。大画面のテレビで見るより、個人が好きなチャンネルを選択できるのがメリットです。


一方で、家族みんなでテレビを見るということがなくなることにより、家族団らんの機会がなくなるかもしれないという懸念もあります。そのときはダイニングでの食事など、他の形でコミュニケーションを図る必要があるかもしれません。


テレビの代わりにプロジェクターを計画する


テレビを置かずに、プロジェクター内蔵型の照明をつけるという手があります。照明一体型なので場所を取らず、手軽に映写をすることができます。

テレビ画面と違って部屋を暗くしないと見づらいため、ニュースやバラエティを見るには不向きかもしれません。しかし、普段からテレビを見る習慣がなく、たまに映画やドラマが見られれば十分という方はこれでもOKだと思います。


レコーダー内蔵型のテレビを壁掛けで計画する


レコーダー内蔵型のテレビを壁掛けで計画するとテレビ台を置く必要がなくなります。


テレビ台の目的はレコーダーをはじめとするAV機器を置くことだからです。テレビにその機能が全て備わっていればテレビ台は不要です。


容量や機能は単体のレコーダーに比べると劣るかもしれませんが、テレビまわりがすっきりするのは大きなメリットです。


テレビの商品次第でテレビ台が要らなくなると、部屋がすっきりして、掃除が楽になり、家具代も節約できます。

ベッドのおすすめ提案


建築家がおすすめするベッドの提案、注意点は以下の通りです。


  • 何人で寝るか、何台置くか
  • 将来的な使い方の変化
  • 枕元にスマホ置き

何人で寝るか、何台置くか


ベッドを選ぶときは何人で寝るか、何台のベッドを置くかを考えましょう。


まずはベッドの規格サイズを理解しましょう。商品によって差はありますが、以下がサイズの目安です。

  • シングル……幅100㎝
  • セミダブル……幅120㎝
  • ダブル……幅140㎝
  • クイーン……幅160㎝
  • キング……幅180㎝

ここから家族人数を考えてどのサイズのベッドを何台置くかを考えていきます。

たとえば3人家族なら、

  • シングル+ダブル(幅240㎝)
  • シングル+シングル+シングル(幅300㎝)

また、4人家族なら、

  • セミダブル+セミダブル(幅240㎝)
  • セミダブル+ダブル(幅260㎝)
  • ダブル+ダブル(幅280㎝)
  • シングル+シングル+セミダブル(320㎝)
  • シングル+シングル+ダブル(340㎝)

などの組み合わせが考えられます。


部屋の広さや部屋の使い方に合わせて、どのようにベッドを置いたほうが良いかを判断する必要があります。

将来的な使い方の変化


将来的な使い方を考えてベッドを選びましょう。


いずれ子どもは一緒に寝なくなるからです。


子どもが自分の部屋で寝るようになったときにベッドをそのまま子ども部屋に持ってくことができればベストですが、キングベッドやクイーンベッドを分解してばらすわけにはいきません。


ベッドの使い方は子どもの成長とともに変化することを念頭に置いておきましょう。

枕元にスマホ置き


枕元にはスマホが置けるような棚があると便利です。


枕の横にスマホを置くとベッドのすき間から落ちてしまったり、布団の中で失くしてしまったりすることがあります。かといってナイトテーブルを置くと家具が増えてしまい、掃除のときの邪魔になります。


壁にカウンターを造り付けても良いですが、ベッドボードに棚がついている商品もあります。コンセントやライト付きだとなお使いやすいのでおすすめです。

ただし、棚付きのベッドは長さが通常のベッドよりも15〜20センチ長いので注意しましょう。部屋のサイズによっては置けない場合もあります。


枕元にスマホやメガネが置けるような棚を設けることができるかどうか、必ずチェックしておきましょう。

まとめ


建築家がおすすめする家具の選び方をご紹介しました。


家具はデザインや値段ばかりに目が行きがちですが、実際に住んでから気になるのはデザインよりも使い勝手やメンテナンス性です。また、寸法や色合いが部屋と合っていないと、部屋も家具も台無しになってしまいます。


家具選びも家づくりの一部です。設計段階から建築家と家具も検討して、理想の住まいを実現しましょう。

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