家事は毎日必ずしなければいけない仕事です。今日の家事を頑張って終えても、明日はまた新しい家事が待っています。
誰しもがこの毎日の家事を、短い時間で効率よくこなしたいと思っているはずです。
家事を楽にするため、建築の工夫で改善できることはたくさんあります。この記事では建築家がおすすめする家事を楽にする方法をご紹介します。
具体的な方法は以下の通りです。
- 食洗機で食器洗いを楽にする
- 衣類乾燥機で洗濯もの干しを楽にする
- パントリーで買い物を楽にする
- ウォークインクローゼットで収納を楽にする
- マグネットで掃除を楽にする
- 自動洗浄付きの設備で掃除を楽にする
それでは一つずつ解説します。
食洗機で食器洗いを楽にする
食洗機をうまく活用して、食器洗いを楽にしましょう。手洗いに比べたらかなりの時間が削減できます。
具体的な注意点や活用方法は以下の通りです。
- 大きな容量を選ぶ
- タイマーセットを利用する
- 手洗いよりも汚れが落ちる
大きな容量を選ぶ
食洗機を選ぶ際は大きな容量を選びましょう。
容量が小さいと食後の食器が全て入りきらないことがあるからです。食器のサイズや形、数によって収納の仕方は異なるため、なるべく大きい食洗機にしておく必要があります。
海外製のフロントオープンタイプは大容量の商品が多いです。国産の食洗機を選ぶならなるべく深型にしましょう。
手洗いをなるべくなくして食器洗いを楽にするために、食洗機は大容量にこだわりましょう。
タイマーセットを利用する
食洗機はタイマーセットを利用すると便利です。
タイマーセットを利用すると、寝ている間に洗浄、乾燥してくれるからです。翌朝起きたら完全に乾いた食器をそのまま使用することができます。
夕ご飯が終わったら、食洗機に食器を並べて洗剤を投入。あとはタイマーをONにするだけです。
タイマーを利用して、寝ている間に食器洗いを済ませてしまいましょう。
手洗いよりも汚れが落ちる
食洗機は汚れが落ちないといって食洗機を嫌う人もいますが、これは間違いです。食洗機は手洗いよりも食器をきれいにしてくれます。
その理由は温度です。食洗機庫内は触れることができない程の高温のお湯で食器を洗います。
お湯は油汚れが落としやすいだけでなく、除菌効果もあります。また、手洗いでは落ちなかったガラスコップのくすみなども、食洗機にかけるときれいになることもあります。
食洗機は手間を省いてくれるだけでなく、洗浄能力という点においても優秀です。
衣類乾燥機で洗濯もの干しを楽にする
衣類乾燥機を使用すれば洗濯もの干しが楽になります。
通常の洗濯は、
- 脱水した洗濯物を洗濯物干し場まで運ぶ
- 物干しハンガーなどに吊るして干す
- 乾くまで待つ
- 取り込む
という4ステップが必要ですが、衣類乾燥機で必要なのは「脱水した洗濯物を乾燥機に放り込む」だけです。
衣類乾燥機を使用することで具体的に以下のようなメリットがあります。
- スペースがなくても置ける
- 1時間で乾く
- 殺菌効果ものぞめる
- ドラム式洗濯機なら乾燥までノンストップ
スペースがなくても置ける
衣類乾燥機はスペースがない狭い脱衣所にも設置が可能です。
ほとんどの衣類乾燥機は洗濯機上部のデッドスペースに置くことができるからです。
ちなみに、ほとんどの乾燥機には専用架台がついています。大がかりな工事をすることなく設置が可能で、設置状況に合わせて高さを調整することも可能です。
洗濯機の上に乾燥機があると洗濯ものを放り込むのも楽にできます。
1時間で乾く
衣類乾燥機は約1時間で乾燥が完了します。
屋外干しや室内干しでは洗濯ものが乾くまでに夏場でも2〜3時間、冬場は5〜6時間かかります。洗濯ものの乾燥が1時間で完了することがいかに時短になるかがわかるでしょう。
ただし、乾燥が1時間で完了するのはガス式の衣類乾燥機の場合です。電気式の乾燥機はもっと時間がかかるので、衣類乾燥機の性能はあらかじめ確認しておきましょう。
衣類乾燥機ほど短い時間で洗濯ものを乾かすことができるものはありません。
殺菌効果ものぞめる
衣類乾燥機は殺菌効果ものぞめます。
その理由は乾燥機の庫内が80度以上の高温になるからです。
天日干しと同じ効果を得られるのはもちろん、日光消毒では除去できないニオイや雑菌なども取り除きます。
天日干しではほこりや花粉などが衣類に付着してしまうため、衣類乾燥機を使用することでとてもクリーンに洗濯ものを乾かすことができます。
ドラム式洗濯機なら乾燥までノンストップ
乾燥機能付きのドラム式洗濯機を使用すると、脱水後の洗濯ものを移し替える必要すらありません。洗濯、すすぎ、脱水、乾燥までがノンストップです。
衣類乾燥機と比較すると乾燥に時間はかかります。しかし、食洗機と同様に最初から最後まで機械に任せっぱなしにできるのはとても魅力的です。
一般的なドラム式洗濯機は全自動型と比較して10〜15万円ほど高額ですが、その分家事が楽になるのでおすすめです。
パントリーで買い物を楽にする
パントリーは食材のストックやキッチンまわりの収納として活躍します。パントリーをうまく活用することで、買い物の負担が大幅に軽減されます。
具体的なメリットは以下の通りです。
- お米や瓶やお酒が置ける
- 安いときにため買いできる
お米や瓶やお酒が置ける
パントリーがあると、場所を取って収納し辛いものが収納しやすくなります。
システムキッチンや食器棚には十分なスペースがないからです。普通は食器や調理器具を入れたらいっぱいになってしまいます。
場所を取って収納し辛いものといえば、お米、瓶、お酒などがあります。これらは重量もあるため、頻繁に購入するのは大変です。
パントリーがあれば、重くて場所をとるものでも一度に大量買いしてストックしておくことができます。
安いときにため買いできる
パントリーがあれば安いときにため買いができます。
これはスペースに余裕がないとできません。収納スペースが無ければ大量に買った食材でキッチンが狭くなってしまうからです。
具体的には缶ビールや水、お菓子、カップ麺など。いずれ買うものであれば安いときにまとめて買っておくことで経済的にメリットがあり、買い物の手間も省けます。
パントリーがあれば買い物のときに収納スペースを気にする必要がなくなります。
ウォークインクローゼットで収納を楽にする
ウォークインクローゼットの使いやすさを考えましょう。
家事目線で重要なことは収納のしやすさです。洗濯し終えた衣類を収納するのは毎日のことだからです。
収納しやすくて使いやすいウォークインクローゼットは以下の点に注意しましょう。
- ハンガーにかけて収納する
- 家族全員分を収納する
- 寝室の近くではなく、リビングの近くに
ハンガーにかけて収納する
洋服はなるべくハンガーにかけて収納しましょう。
ハンガーにかけて収納すると畳む手間も収納する手間も省けるからです。ついでに選ぶときも簡単に洋服を見つけられますし、しわにもなりにくいというメリットもあります。
洋服をハンガーにかけて収納するためには、ハンガーパイプをたくさん設ける必要があります。そのため、ウォークインクローゼットの容量を計算するときは畳数よりもハンガーパイプの長さで計算すべきです。
ハンガーパイプの量がウォークインクローゼットの容量といっても過言ではありません。
家族全員分を収納する
ウォークインクローゼットは家族全員分の衣類を収納できるようにしましょう。
家族ごとに衣類の収納場所がばらばらだと収納が大変だからです。
できれば衣替えが必要ないようにオールシーズンの衣類が収納できるような容量があるとベストです。衣類の収納が一か所になると毎日の収納だけでなく、サイズチェックや消耗チェックなども楽になります。
家族全員分の衣類を一か所にまとめて家事の負担を減らしましょう。
寝室の近くではなく、リビングの近くに
ウォークインクローゼットは寝室の近くに設けがちですが、リビングの近くに設けましょう。
リビングの近くに設けることで使い勝手がよくなるからです。どのようなときにクローゼットを利用するか想像してみましょう。
- 朝着替えるとき
- 家に帰ってきたとき
- 寒くて上着を羽織るとき
- 出かける前
- 洗濯を終えた衣類を収納するとき
ほとんどの方にとって、寝室の近くにあった方が便利というシーンはほぼないのではないでしょうか。
寝室の近くのほうがスペースをたくさん取りやすいという利点はありますが、使い勝手なら完全にリビングに軍配があがります。
マグネット収納で掃除を楽にする
マグネット収納を利用すると掃除が楽になります。
マグネットを外して壁をフラットな状態にすることができる方です。外したマグネットもつけおき洗いができるので掃除は簡単です。
具体的にマグネット収納が活躍する場所は以下の通りです。
- ユニットバスの壁にマグネット収納
- キッチンの壁にマグネット収納
ユニットバスの壁にマグネット収納
ユニットバスの壁はマグネット収納が活躍します。
ユニットバスの中はカビが生えやすいからです。付属の棚やタオル掛けは最小限にして、必要な収納はマグネットで増やすことで掃除の手間を削減することができます。
具体的には掃除用具、おもちゃ、ボトルホルダーなどにマグネット収納を用いることができます。最近のユニットバスの壁はそのほとんどが鋼板仕様になっておりマグネットがくっつきます。
掃除が大変なユニットバスは極力マグネットを利用して負担を減らしましょう。
キッチンの壁にマグネット収納
キッチンまわりの壁もマグネット収納が便利です。
キッチンまわりは物がとても多いからです。おたま、菜箸、キッチンペーパー、スパイス、ふきんなど。これらは引き出しにしまってしまうと使い勝手が悪いため、常に手が届きやすいところにあるのが理想です。
これらが壁にくっついたらとても使いやすく、カウンターもすっきりして、掃除も楽になります。
自動洗浄機能付きの設備で掃除を楽にする
建築設備の中には自動洗浄機能がついているものがあります。
本来人間がやらなければいけない掃除を機械が勝手にやってくれるとしたら家事が楽になると思いませんか?それが掃除したくない場所ならなおさらです。
代表的な自動洗浄機能付きの設備は以下の通りです。
- 自動洗浄の便器
- 自動洗浄のレンジフード
- 自動掃除のエアコン
自動洗浄の便器
自動洗浄の便器は掃除がとても楽になります。
この便器は便器内を自動で洗浄してくれるからです。
代表的な商品は、
- アラウーノ パナソニック製
- ネオレスト TOTO製
です。通常の便器は便器内やノズルを水で洗い流すだけです。しかし自動洗浄タイプは、水道水から作り出した除菌水で便器内やノズルを洗浄するものや、流すたびに洗剤で便器内を掃除するものがあります。
これらの便器は本当に汚れにくく、便器の掃除の手間を大幅に削減してくれます。
自動洗浄のレンジフード
自動洗浄のレンジフードは掃除の手間を大幅に削減してくれます。
レンジフードで最も掃除が大変なファンの掃除が楽になるからです。
代表的な商品に、
- 洗エールレンジフード クリナップ製
- レンジフードDWシリーズ パナソニック製
があります。これらはお湯を専用トレーにセットするとファンを自動で洗浄してくれます。あとは排水トレーにたまった汚水を捨てるだけで作業は完結です。
ファン以外にも、整流板、オイルトレーなどの掃除は必要ですが、ファンほど大変ではありません。ファンの掃除が楽な商品はとても魅力的です。
自動掃除のエアコン
自動掃除機能付きのエアコンにすると、エアコン掃除の手間が省けます。
このエアコンはフィルター掃除を自動で行ってくれるからです。冷房のつけはじめ、暖房のつけはじめにフィルターの掃除をする必要がありません。
自動掃除機能付きのエアコンは各メーカーで出しているので、そこまで珍しい機能ではありません。また、通常のベーシックモデルと比較しても大きな金額差はないためおすすめです。
エアコン掃除の手間を減らしたいなら自動掃除機能付きエアコンがおすすめです。
まとめ
建築家がおすすめする家事を楽にする時短方法5選をご紹介しました。
今回ご紹介した時短方法は、計画段階で計画しておかないと後からは対応できないものがほとんどです。
気になる計画はぜひ取り入れて家事がしやすい家づくりを進めていきましょう。