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建築コラム

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建築家のこと

2023.01.20

建築家が語る低コストで可能なデザイン!お金をかけずにかっこいい家をつくるには?

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家づくりをするならかっこいい家にしたいですよね?しかし、デザイン性のある造作や装飾はお金がかかります。


かっこいい家にしたいけど、コストはかけたくない。

このようなジレンマを抱えながら家づくりを進めている方は多いのではないでしょうか。


そこで、コストをかけずに家をかっこよくする方法を建築家が解説します。

これから家づくりをされる方や今まさに家づくりをしている方の参考になれば幸いです。


具体的には以下のような方法で、低コストでかっこいい家をつくることができます。


外観をかっこよくするために

  • 窓をそろえて外観を整える
  • 換気扇や室外機は目立たない場所に設ける
  • アクセント外壁はしない
  • 植栽で外観をデザインする
  • 窓を無くして壁を残す
  • サッシは軒付けにする

内観をかっこよくするために

  • 建具は天井付きのハイタイプにする
  • 建具を上吊りにして敷居を無くす
  • 天井を折り上げてカーテンボックスをつくる
  • 床の貼り方向をそろえる
  • リモコンはニッチにまとめる
  • メリハリをつけて装飾する


外観をかっこよくするために


外壁に高級なタイルを使ったり、深く軒をかけたり、格子などの装飾部材を使って外観をかっこよくすることは簡単です。


しかし、いずれの場合もコストがかかってしまうため、なるべく建築費用を抑えて計画を進めたい方にはおすすめできません。


コストをかけずに外観をかっこよくする方法をご紹介します。


窓をそろえて外観を整える


窓をそろえるだけで外観はかっこよくなります。


窓の整理整頓ができておらず、整った外観をつくれている家がとても少ないからです。


まずは上下で窓の位置をそろえましょう。1階と2階で窓の位置がそろっているだけで外観のバランスはとても良くなります。

次に、左右で高さをそろえましょう。中からの使い勝手に多少の影響が出たとしても、できるだけ各部屋の窓の高さはそろえた方が外観はきれいです。

また、使用する窓の種類はなるべく少なくすることも重要です。たくさんの種類、たくさんのサイズの窓を使い過ぎると、まるでサッシメーカーのサンプル紹介のようになってしまいます。


間取りを考えるときはつい平面だけで考えがちですが、間取りの段階から外観を意識しなければきれいな外観はできません。水まわりの小窓は全てサイズや種類をそろえる、居室の窓のサイズは全てサイズをそろえるなど、間取りを考える段階から窓の整理整頓を意識することが大切です。

換気扇や室外機は目立たない場所に設ける


換気扇や室外機は目立たない場所に設置しましょう。


換気扇や室外機は必要悪で、決してかっこいいものではないからです。どこかに設けないといけないものであれば、なるべく目立たない場所に設け、外観の邪魔にならないようにすることが重要です。


エアコンの室外機は間取りを作った段階で設置できる位置が決まります。最初の段階で、玄関横や道路側の目立つ場所に室外機がこないかどうかをチェックしましょう。


換気扇は天井裏にダクトを設けるので、ある程度位置を選ぶことができます。しかし、大きな梁や他のダクトとの干渉がある場合は思い通りの位置につけられないことがあるので注意が必要です。


最後に給湯器です。給湯器は熱効率を考えると浴室の近くに設置しなければいけません。つまり、浴室をなるべく目立たない場所に設けないと、給湯器がまる見えになり外観が悪くなってしまいます。


きれいな外観を作るために、換気扇、室外機、給湯器などの必要悪が目立ってしまわないようにプランの段階から注意しましょう。

アクセント外壁はしない


アクセント外壁をやめましょう。


なぜなら、無理やり外壁材の種類や色を変えてもかっこいい外観にはならないからです。きれいな形ができていないのにアクセント外壁を使うと悪いデザインを強調してしまい、逆効果になってしまいます。


それよりも、一種類の外壁でシンプルに外観をつくり、照明や植栽でアクセントをプラスした方がデザインは良くなります。

また、外壁の種類が一種類ならメンテナンスも楽です。むやみやたらにアクセント外壁を使用するとメンテナンスの手間も増えてしまいます。


せっかくだからツートーンカラーにしたい、という気持ちはよくわかります。しかし、デザイン性を下げてまでやることではありません。建築家のおすすめをよく聞いて、デザイン性を下げるアクセント外壁は避けましょう。

植栽で外観をデザインする


植栽で外観をデザインすることができます。


植栽があることで建物の見栄えは格段に良くなるからです。

その証拠に展示場を見てみてください。樹を植えていない展示場はおそらく1棟もないのではないでしょうか。それだけ植栽は建築物を引き立たせる役割があります。


植栽で外観をデザインするとき、まずはシンボルツリーを考えます。

シンボルツリーは4〜5メートルの高さで、樹形のきれいな樹を選びます。アオダモ、モミジ、ヤマボウシ、カツラなどの落葉樹や、シマトネリコ、シラカシなどの常緑樹がおすすめです。


次にサブツリーを考えます。シンボルツリーとのバランスを考えて2〜3メートルほどの少し小さい樹を選びましょう。シンボルツリーが落葉樹なら常緑樹を選ぶなどして、シンボルツリーとのバランスを整えることも重要です。


サブツリーを2〜3本選んだら、樹の足元を隠すように低木を計画します。照明を計画してライトアップするとさらに見栄えが良くなります。


植栽はある程度作りこんでも20万円ほどで計画できます。外壁や装飾材で外観を作るよりも、低コストできれいな外観をつくることが可能です。

窓を無くして壁を残すという発想


窓を無くして壁を残しましょう。


あえて壁を残すことでデザインが良くなるからです。中途半端に残ってしまった壁はのっぺりしてしまいますが、形を考え残した壁はデザイン性があります。


たとえば、道路側の外壁に全く窓が無かったらどう感じるでしょうか?普通はあるはずの窓がないので、とても珍しい家に見えるはずです。


窓だけでなく、換気扇も室外機もなくしてきれいな壁をつくりましょう。大きな壁はそれだけでデザインになります。そしてそこに大きな植栽を配置すると、外壁を背景に植栽の緑が際立ちます。陽が差し込んだら外壁に影を落とし、夜はライトアップして外壁に影を映し出すことができます。


窓を無くすことがコストダウンにもなっており、メリットはたくさんあります。道路側の窓を無くせないかを検討してみましょう。

サッシは軒天付けにする


サッシを軒天付けにすると外観はかっこよくなります。


サッシを軒天付けにすることで、サッシの上部に壁がなくなり、よりシンプルに見えるからです。


基本的に、コストを抑えるときはモダンな外観をイメージした方が良いです。装飾をたくさんつけるようなデザインと異なり、モダンはすっきり見せることでデザイン性を高めるのでコストダウンとの相性がとても良いからです。


モダンな外観をつくるときは、なるべく複雑な線を消してシンプルにします。サッシを軒天につけることで見栄えが良くなるのは、よりシンプルに、よりモダンになるからです。


サッシを軒天付けにすることで上がる費用は、サッシの高さが高くなることで発生するサッシ代とカーテン代くらい。わずかな費用でデザイン性をアップすることができます。

内観をかっこよくするために


内観をかっこよくするというと、

  • 床材をグレードアップする
  • デザイナーズ家具を置く
  • 壁の装飾材にこだわる
  • 天井の装飾材にこだわる

などが考えられます。これらはインテリアに大きなインパクトを与えてくれますが、コストもかかってしまいます。


こちらでご紹介するのは、材料費をかけずにインテリアをかっこよくする方法です。

建具は天井付きのハイタイプにする


建具を天井付きのハイタイプにするとインテリアはかっこよくなります。


建具をハイタイプにすることで建具の上の壁がなくなり、よりシンプルに見えるからです。また、建具を開け放したときは天井がつながるように見えるため、空間を広く見せる効果もあります。


計画する建具を決めて、建具高さと天井高さが同じになるように計画する必要があります。オーダーで建具をつくる場合でなければ、建具高に天井高さを合わせる計画が良いです。


ハイタイプの建具は2400高さの商品が多いため、居室の天井高も2400で計画すると上手くいきます。サッシの高さも同時に考慮して、内外ともにバランスを取っていきましょう。

建具を上吊りにして敷居を無くす


建具を上吊りにして敷居を無くすと素敵なインテリアになります。


建具を開け放したとき、床材が継ぎ目なく続いているように見えるからです。


以下はこの手法をより効果的に見せるためのコツです。

  • 床材は長手方向に貼る
  • 各部屋の床材は貼り方向をそろえる
  • 家の端から端までを見通せる空間をつくる

これらに留意して上手に設計ができると、実際よりも部屋が広く、家が大きく見えます。


また敷居がないことで掃除がしやすくなるのも大きなメリットです。わずかな敷居段差にホコリがたまることや、建具下部の戸車にホコリがからまることを防げます。


建具を上吊り引き戸にして敷居をなくすだけで、すっきりしたきれいな床をデザインすることができます。

天井を折り上げてカーテンボックスをつくる


天井を折り上げてカーテンボックスをつくるとカーテンの見栄えが格段によくなります。


カーテンボックス内にカーテンレールを設置することで、カーテンレールが見えなくなるからです。また、カーテンが天井に入り込んでいるように見えるのでカーテンもすっきりと見えます。


壁に付けるボックスタイプのカーテンボックスもありますが、壁から出っ張るのが難点です。天井の中に納まる方がカーテンまわりがシンプルですっきりします。


ただし、天井を折り上げると床梁と干渉することがあるため、構造計画と合わせて計画する必要があります。この辺は専門知識も必要なため建築家に相談しましょう。

また、通常のカーテンの施工方法よりも生地が長くなるため、カーテン代は少し高くなることも注意点です。


窓まわりをきれいに設計するために折り上げ天井のカーテンボックスを設けましょう。

床の貼り方向をそろえる


床の貼り方向をそろえると内観の見栄えは一気に良くなります。


家の中の床が一体感をもち、次の部屋までそのまま貼り延ばされているように見えるからです。


各部屋の床材は変えたくなることもあるかもしれませんが、できるだけ同じ床材を使用して家全体に一体感を持たせましょう。

リモコンはニッチにまとめる


リモコン類はニッチにまとめてすっきりさせましょう。


リモコンが複数の壁についていると目立つからです。また、照明のスイッチと違いリモコンは厚みがあります。そのまま壁につけると壁から2センチほど出っ張るため、通路の邪魔にもなります。


計画しなければいけないリモコンは、

  • インターホン
  • 給湯リモコン
  • 照明のスイッチ

などが考えられます。また、場合によっては、

  • 太陽光発電リモコン
  • セキュリティコントローラー
  • 床暖房リモコン
  • 空調リモコン

などが考えられます。


ニッチの寸法はリモコンの数やサイズを確認して決定しましょう。また、リモコンは高さをそろえてデザインすることも忘れてはいけません。


リモコンをニッチに並べるだけで乱雑になりがちな壁がすっきりと片づきます。


メリハリをつけて装飾する


装飾をするときはメリハリをつけて行いましょう。


壁や天井を装飾するときは、通常の白い壁もないとアクセントが目立たないからです。むやみやたらに装飾をつけ過ぎるのはコストがかかるだけでなく、デザイン性も下がってしまいます。


装飾材はシンプルな矩形の面に貼るときれいです。長方形の壁、長方形の天井、まっすぐな折り下げ天井、など。アクセントは貼りすぎないようにすることが重要です。


また、空間でいくつも装飾するのはやめましょう。壁装材にこだわるのなら、天井はシンプルな方が良いですし、家具や床材にこだわったのであれば装飾はない方が家具や床材が目立ちます。


何もせずシンプルにすることでアクセントがひき立ちます。装飾を設けるときはメリハリが大事です。

まとめ


建築家がおすすめするコストをかけずにかっこいい家をつくる方法をご紹介しました。


コストをかけずにデザインを良くする方法は他にもたくさんあります。また、高級な材料を使っても設計が悪ければそれが活かされないこともあります。


かっこいい家をつくることも大事ですが、コストを有効に使うことはもっと大事です。


まずはコストをかけずに家をデザインできないか考えてみませんか?そんな家づくりをしたい方は建築家に相談をしてみましょう。

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