建築家が家づくりのオプションについて解説します。
オプションとはグレードアップのことです。どの建築会社でも、見積もりの基準となる「標準商品」があり、商品を変えるとオプション費用がかかります。
使いやすい商品を選びたいけど、金額が上がり過ぎても困る。本当にコスパの良いおすすめ商品を選択したい。
こう思っている方は多いのではないでしょうか。
そこで、建築家がおすすめするオプションをご紹介します。
外装・外構のおすすめ商品
外装・外構のおすすめ商品をご紹介します。
外装は後々工事をするとかなりの費用がかかるので、特に注意して選択しましょう。
高断熱サッシで部屋を暖かく
高断熱サッシを使用すると部屋が暖かくなります。
部屋の熱はほぼサッシから逃げるからです。断熱材をどれだけ高性能にしたとしても、サッシの断熱性能を上げなければ省エネにはつながりません。
高断熱サッシの特徴として、複層ガラス+Low-Eガラスが一般的です。このサッシは、2枚のガラスの間に空気層を設け、熱線を反射するLow-E膜といわれる特殊な金属膜をコーティングしたもので、高い省エネ効果が期待できます。
さらに、空気層へアルゴンガスやクリプトンガスの封入、樹脂サッシ、トリプルガラスなどを検討すればより高い断熱効果がのぞめます。
高断熱サッシを使うと家が高断熱になり、快適で健康的なだけでなく、光熱費削減にも効果があります。
材料ごとに異なる熱の伝わりやすさ
材料によって熱の伝わりやすさは異なります。
熱の伝わりやすさは熱伝導率という値で比較することができます。各材料の熱伝導率は以下の通り。
- 空気……0.024
- 断熱材(グラスウール)……0.03
- 木材……0.02
- 水……0.6
- ガラス……1
- 鉄……84
- アルミニウム……236
- ダイヤモンド……1000
(単位:W/m・K、参考:ウィキペディア)
数字が少ないほど熱を通しにくいので、空気や断熱材は熱を通しにくく、空気層を設けることや断熱材を充填することが断熱にとってとても効果的と言えます。
反対に、鉄やアルミニウムなどの金属は木材の4000倍以上熱を通してしまうため、鉄骨造の建築物は、鉄でできている躯体部分をしっかりと断熱する必要があります。
また、断熱材よりも水の方が20倍熱を通しやすいことがわかります。つまり、断熱材が水を含んだら断熱性能が落ちてしまうため、壁体内の換気や防水シートの施工がとても重要になります。
キーレスエントリーで快適な施解錠を
キーレスエントリーとは、鍵を使わずに玄関ドアの開け閉めができるシステムです。車と同じように、リモコンキーをバッグに入れておけば鍵を取り出すことなくカード玄関ドアの施錠、解錠ができます。
キーレスエントリーは外出時や帰宅時に鍵を取り出す必要がないためとても便利です。とくに、暗いときや荷物で手が塞がっているときはキーレスでよかったと思うときが多いと思います。
キーレスエントリーはリモコンキーのほか、カードキーやタグキーなど様々な種類があります。乾電池で作動する電池錠が一般的ですが、電気錠も洗濯が可能です。電気錠ならインターホンやセキュリティシステムと連携することもでき、部屋の中のモニターやスマホから施錠解錠をコントロールすることもできます。
電池錠なら費用は10万円前後。毎日の手間が省けるのでおすすめです。
宅配ボックスで荷物を受け取る
宅配ボックスは不在時でも荷物を受け取ることができます。また、非対面で済ませたいときも利用できるので、感染症が気になる時も安心です。
ネットショッピングが多い方は特におすすめ。留守でも荷物を受け取ることができるので最短日時で配達の指定が可能です。
内装のおすすめ商品
内装のおすすめ商品をご紹介します。
インテリアの主役になる、とても重要なところです。
無垢フロアで木質感を
床に無垢フロアを使用するとインテリアに木質感が大きくプラスされ、雰囲気がとても良くなります。
まず無垢フロアは天然木の木目を楽しむことができます。樹種により木目は異なりますが、オーク、ウォルナットなどは
エコカラットでアクセント
エコカラットは壁に貼るLIXIL製のタイルです。
一般的なタイルよりも空隙が多く、調湿作用に優れているのが特徴です。調湿性能は珪藻土の約6倍。多湿期にも乾燥期にも頼りになる壁材です。
デザインもバリエーション豊富で、約84シリーズの種類があります。リビングや床の間などの目立つ場所や、寝室や玄関などの空気環境が気になる場所におすすめです。
値段についても、タイルや天然木の壁材と比べると安価なものもあるため計画しやすいと思います。アクセント壁にエコカラットはおすすめです。
間接照明でやわらかい明かりを
間接照明を計画すると室内をやわらかく照らすことができます。
これは間接照明が壁や天井を照らし、反射した光が室内を明るくするからです。光源からの直接的な光と比べて、壁や天井に反射した光はほどよい光量で拡散するため目に優しく、温かく感じます。
間接照明を使えば、ムードを演出し、温かみのある空間を作ることができます。また、読書に最適な明かりや、廊下や階段などのライトアップなど、雰囲気をつくりつつ実用的な使い方もできます。
さらに、調光スイッチを使えば、光の強さを調節することも可能です。
また、間接照明は、心を落ち着かせ、心身をリラックスさせる効果があると言われています。テレビやスマホの見過ぎで脳が覚醒状態になり睡眠不足になっている人も、間接照明の空間で穏やかに過ごせば、ゆっくりと睡眠モードに入ることができます。
設備のおすすめ商品
設備のおすすめ商品をご紹介します。
家事を楽にしてくれる便利なアイテムばかりです。
Miele(ミーレ)の食洗機
ミーレの食洗機は洗い物を楽にしてくれるのでおすすめです。具体的なメリットは以下の通りです。
大容量だから食器がたくさん入る
ミーレの食器洗い機は大容量なので、一度にたくさんの食器を入れることができ、時間とエネルギーの節約になります。
一般的な食洗機は浅型、深型に分かれますが、45センチ幅のタイプで浅型の2.5倍、深型の1.8倍の容量があります。一度にたくさんの食器を片付けることができるので、1日分の食器を一度に洗うことやフライパンなどの調理器具まで一緒に洗うこともできます。
洗い物がスムーズにできることで、必要なときにいつでもきれいな食器を用意することができるのも大きなメリット。使いたいけど洗っていないという余計なストレスが無くなります。
大容量のミーレなら、食洗機に入りきれずに洗い物が残る心配がなくなり、食器洗いの負担が大きく減ります。
静かな運転音で食器にもやさしい
食洗機は運転音が静かなものを選びたいものです。
運転音がうるさいとテレビの音が聞こえづらかったり、寝ているときに音が気になったりするからです。
ミーレの食洗機は40dBという驚くべき低騒音で運転します。40dBは図書館の室内並みの静けさで、普段の会話の音よりも小さい音です。
それだけの静けさを保っているにもかかわらず洗浄力は抜群。75℃の高温で洗うことで頑固な汚れや細かなくすみまで除去します。
さらに、デリケートな食器を洗う際にも、食器が傷む心配はありません。ミーレ独自の3D+カトラリートレイは、カトラリーを優しく洗浄し、汚れをきれいに落とします。
この組み合わせにより、ミーレの食器洗い乾燥機は、食器に優しく、かつ非常に効率的に洗浄することができると信頼できます。
フロントオープンだから食器を入れやすい
ミーレの食洗機がもつ大きなメリットのひとつは、フロントオープンであることです。
フロントオープンは食器を簡単に入れることが可能で、食事の準備や後片付けを楽にしてくれます。
そのスリムなラインのデザインは、ミーレの食洗機が柔軟なラックとバスケットも誇っているという事実と相まって、スペースの究極の最適化を可能にするラックに、さらに多くのアイテムを適切にロードすることを容易にします。
さらに、取り外し可能なカトラリートレイは、あらゆる種類のカトラリーや調理器具を収納することができます。また、他のラックも斬新なデザインで、食器の種類や形状を問わず収納できます。
食器の出し入れが楽な食洗機を採用したいなら、ミーレのフロントオープン式食洗機がおすすめです。
予洗い不要だから時間ができる
ミーレの食器洗い機を所有するメリットの1つは、食器洗い機に入れる前に食器を下洗いをすることを気にする必要がなくなることです。
強力な洗浄サイクルを備えたミーレの食器洗い機は、最も汚れた食器でも問題なく簡単に処理できます。
独自のロボットアームにより、すべての残留物が効率的に分散され、ピカピカの仕上がりになります。
ミーレの食器洗い機は、食器洗い機に入れる前に下洗いをする必要がないため、食器洗いの時間と労力も節約できます。食器の汚れを削り取り、油分を洗い流してから、食器洗浄機に入れるだけです。あとは食器洗い機がやってくれますよ
予洗いなしでもパワフルで効率的な食器洗い機をお探しなら、ミーレを選べば間違いないでしょう。
他メーカーの類似商品
他のメーカーの食洗機も素晴らしい選択肢があります。
Bosch(ボッシュ)、ASKO(アスコ)はミーレと同じくフロントオープン型の食洗機を展開しています。
ボッシュやアスコの食洗機は、容量や運転音の静かさなど、ミーレに全く引けをとらない性能を持っています。むしろ、ボッシュの乾燥機能、アスコのオールステンレス仕様はミーレよりも優れています。
ミーレ以外にも、設置寸法、予算、その他の好みなどに基づいて商品を選択しましょう。
浴室暖房乾燥機
浴室で洗濯物干しができる
浴室乾燥機を利用すれば洗濯物を浴室で乾燥させることができます。
ドライモードだけでなく、除湿や脱臭などの機能も充実しており、
例えば、浴室乾燥機の中には、乾燥した熱風で濡れた洗濯物を除湿・脱臭するものがあります。これは、湿った洗濯物のカビを除去するのに役立ちます。
さらに、シルクやカシミアなど、デリケートな繊維の乾燥にも浴室乾燥機が活躍します。一般的な乾燥機は高温で乾かすため、衣類にダメージを与えてしまうからです。
浴室乾燥機は衣類を長持ちさせることができるのです。
機能性と利便性を兼ね備えた浴室乾燥機は、どんなご家庭にもおすすめです。
暖房機能で身体への負担を軽減できる
寒い季節になると、トイレ、脱衣所、浴室では、服を脱ぐときに温度が大きく下がることがあります。
ヒートショックを防ぐためには、暖房器具を設置し、安定した温度を保つことが大切です。
浴室暖房を導入することで、室内を適度な温度に保つことができ、快適に過ごすことができるとともに、温度による体調不良のリスクも回避することができます。
浴室暖房は、冬の間、安全で快適な住まいを維持してくれます。
ガス衣類乾燥機
ガス衣類乾燥機は洗濯物干しの手間を大きく省いてくれる商品です。
主な特徴を以下にてご紹介します。
1時間でカラカラに乾く
ガス衣類乾燥機は、洗濯物の乾き具合が全く違います。
同じ量の洗濯物を乾かすのに、電気乾燥機では3〜4時間かかりますが、ガス乾燥機ならわずか1時間で完了します。忙しい毎日を送る人にとって非常に便利です。
また、エネルギー効率がよく、温め直しが早いので、シワがなく、きれいな仕上がりになります。さらに、乾燥時間が短いので、
- 洗濯物を何枚も干す忙しいご家庭に最適
- ふとんや大きなタオルなど、乾きにくいものもすぐに乾く
- 衣類へのダメージが少ない
などのメリットがあります。
このように、ガス衣類乾燥機は時間とエネルギーを節約できるだけでなく、衣類をより良い状態で長く保つというメリットもあるのです。
驚くほどガス代が安い
ガス衣類乾燥機の大きなメリットは、ガス代が驚くほど安いことです。
乾燥機を稼働させたときのガス代は、一回あたりわずか数十円。電気式の乾燥機に比べて、わずかな運転時間で洗濯物を乾かすため、エネルギー消費量も少なく、毎月の光熱費も抑えられます。
さらに、エネルギー消費が少ないということは、ガスを使用した場合に発生するCO2も少なくなるため、環境にやさしいというメリットがあります。
ガス衣類乾燥機は経済的で、環境にもやさしい商品です。
超省エネエアコン
家を建てる際にもう一つ検討したい項目が、エアコンです。電気代を抑えたいなら、超省エネタイプを選びましょう。
超省エネエアコンは、消費電力が少なくなるように設計されているので、環境にもお財布にも優しい商品です。初期費用は高いですが、コストパフォーマンスの高いため長い目で見ればおすすめです。
通常のエアコンと超省エネエアコンを見分けるには、エアコンの「通年エネルギー消費効率」を確認する必要があります。通年エネルギー消費効率はAPFとも呼ばれ、JISに基づいた性能値です。エアコンを運転した時の消費電力1キロワット当たりの冷房・暖房の能力を表しており、この値が高いほどエアコンの省エネ性能が高いということになります。
通年エネルギー消費効率は5.0〜7.0ほどの数値が多く、超省エネエアコンを選択する際は6.0以上の商品がおすすめです。
これからは電気代がより割高になることも予想されます。超省エネエアコンは、環境面や経済面で大きな効果を発揮しながら一年中快適な温度を保ってくれる優れものです。
まとめ
建築家がおすすめする家づくりのオプションをご紹介しました。
家づくりにおいて、無駄なコストを省き、自分にとって価値の高いものにコストをかけることはとても重要です。
そのためには、オプション項目の精査は必須。 オプションを精査して快適な住まいを実現しましょう。