MAGAZINE

建築コラム

To the ideal life

設計テクニック

2024.08.19

建築家が語る家づくりのコツ。デザインと設計センスについて考える。

この記事をシェアする

 

建築家の家づくりの工夫は多岐にわたります。プロの技術と工夫には、空間の広さや素材の豊かさなど、空間を美しく見せるポイントが多く秘められています。今回は、そんな建築家のデザインと設計センスについて詳しく見ていきます。

建築家の設計のセンス


建築家の設計にも様々なポイントが押さえられています。具体的には、設計のセンスには「バランスをとるセンス」「造形のセンス」「出来事を生むセンス」の3つの種類があります。設計する際に重視することでセンスを感じられる家づくりに結びつくため、ぜひ参考に見ていきましょう。

①機能性

例えば、階段の高さや廊の幅・窓の大きさや手すりの高さ・テーブルの大きさなど、建築を構成する要素が適切に出来ているか、きちんと機能性があるかといった側面が重要です。この要素は、住民の安全な環境作りにも影響しています。


②空間の演出

建築には、かっこいい・美しい・見た目のデザインの良さなど視覚的な要素だけでなく、光や影や音、素材まで計算された五感に訴える空間要素など、たくさんの工夫が凝らされています。その場所で住人にどのように感じてほしいのかなどのイメージを考慮して、造形的に空間を演出することが重要です。

 

③生活の演出

人と人との繋がりや、日常を楽しく豊かにする工夫や仕掛けについても、建築で創ることができます。景色を眺める窓の高さや配置・座るのが心地いい床や、日が差し開放感のある天井の仕掛けなど、空間同士の繋がりや住民の生活をイメージした家づくりが求められます。

建築家のデザイン


①建物に物語を創る

一人のクライアントがもつ特定の場所や時間をめぐるイメージを引き継ぐことで、その家は豊かな暮らしの体験を作り出します。例えば、求められる色合いや部屋の自然光のあたり具合など些細なアイデアに込められているのかもしれません。「白はどこにも使わないでほしい」というような具体的なクライアントの要望や、立地の形状が出発点になることもあります。これは、小規模なリノベーションやインテリアデザインに至るまで、あらゆる段階のデザイン課題について言えることなのです。より大きな指針となるアイデアを小さな箇所から見つけ出し、それを中心に物語を創り出すことで、デザイン上のあらゆる判断が意義あるものになるでしょう。

②ディテールを意識したデザインを提案する

建築が目指すいちばん重要な目的とは、問題を解決することです。良い建築と悪い建築との違いは、その問題解決をどのような方法で行うかにあり、階段の側面ガードをどうするか、ケーブルの接続部分はどこにあったほうが良いのかなど、自然なデザインの中にも細かい設計を選択しています。ディテールは、我々が日常生活で最も身近に触れる部分であるだけに、その構成要素すべてをどのようにまとめあげているのか注意を払いましょう。

 


③シンプルにする

建築家のデザインは、単におしゃれであれば良い訳でありません。「簡素化というのは、不要なものを削り必要なものが聞こえるようにすることだ」とは、画家のハンス・ホフマンの言葉です。私たちは往々にして複雑さと面白さを混同して用いてしまいがちですが、必要最小限の要素にそぎ落とすのも、建築家が学ぶ重要な技術と言えるでしょう。シンプルなフォルムにすると、作るのが容易で装飾を施さないままでも美しく、さらに費用が抑えられるなどのメリットが得られます。機能性を持たないデザインは、その必要性を疑ってみましょう。

まとめ


今回は、そんな建築家のデザインと設計センスについて見てきた。家づくりにおいて、ちょっとした工夫を凝らすことで、そこに住むひとだけでなく、訪れた人にとっても快適に過ごすことができる空間を届けられる。ぜひ、家づくりの基本として参考にしていきただきたい。

前へ 一覧へ戻る 次へ

この記事をシェアする

Contact Free

お問い合わせはこちら

家づくりに関するご相談、ご質問は
お気軽にお問い合わせください。