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建築コラム

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家を守る

2024.09.27

建築家が老朽化対策について紹介!建物を長持ちさせる方法とは?

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日々私たちの過ごす建物は、どうしても経年劣化していきます。家を建てた際、今後のメンテナンスについて不安を感じた方も多いのではないでしょうか?今回は、建物に詳しい建築家が、老朽化に悩まなくてもいい方法について詳しく解説していきます。

建物の劣化の原因とは?


建物は様々な要因によって劣化していきます。主な原因としては、天候・土地の状態・建物の素材などによるものが挙げられます。 天候による影響を遮ることは難しいですが、例えば、壁や天井に使われた建材の腐食や水漏れ、カビ。断熱性能など、目に見えてその問題を確認し、早期対策を取ることは可能です。建物の老朽化には様々な要因がありますが、定期的な点検やメンテナンスが重要となるため、住宅購入の際にはしっかりと確認しておきましょう。

建物の耐久性は構造に大きく違いがありますが、そこには目視でわかるような建物の変化があります。私たちの目が届かないところで起こる変化ももちろんありますが、まずは、前者の様子を日常のなかで見つけることに注意しましょう。以下は、目で見てわかる建物の変化になります。

注意すべき建物の変化


1)壁やクロスのひび割れ、張り合わせの部分の隙間、剥がれなど
2)外壁のクラックや隙間、外壁材の剥離
3)タイルのクラック、地割れや剥がれ、破損
4)コンクリートのクラックや隙間、破損
5)ドアのずれ、床面や壁面が擦れた後、開閉が鈍い
6)床の軋み、傾斜
7)水回りに頻繁に発生するカビ、柱の腐食や虫食い跡


また、建物の老朽化を加速させる原因についても見ていきましょう。日々の生活の中で心当たりがある場合には、状態をチェックして、メンテナンスなどを検討する必要があります。




①建物の放置

人が住む家とそうでない家は、外観から見分けがつくことが多いですよね。それはなぜでしょうか。これは、単に住んでいたら良いという訳でなく、人が住んでいたとしても、建物を大切にする生活の営みをしているかどうかが重要となってくるのです。以下のような状態を放置して建物を大切にしなければ、空き家と同様に傷みが加速し、老朽化を早期に招く原因になるので注意しましょう。


②掃除と換気

日常的な掃除や、窓・扉の開け閉めによる換気が非常に大切です。また、水回りも普段の掃除や炊事を行い続けていることで、排水管の汚れが沈着することを最小限にとどめ、その寿命を伸ばすことができます。空気の入れ替えはもちろんのこと、ゴミやホコリ・垢など物理的な汚れは、建物の素材に沈着し傷みを進行させるので、日頃から綺麗に保つように気を遣いましょう。




③シロアリの侵入

建物の老朽化を進める大敵は、柱や床を脆くする「シロアリ」です。とくに、築年数が長い木造建築は注意が必要で、シロアリが木を餌にして繁殖しボロボロにしてしまうことが原因で、建物の強度がぐっと下がってしまいます。これらは専門家の対策が必要となるため、建物を建てる際にその予防のための加工について相談し、また、繁殖後にも駆除してもらう必要があります。

日常生活の中で、粉くずのような木屑を発見したら、シロアリもしくは害虫が素材を荒らしている可能性が考えられるため、駆除やメンテナンスについて早期検討しましょう。

④カビの発生と放置

日本は、高温多湿の気候であり、カビが発生しやすい環境にあります。近年は、建物の性能が上がり、密閉性や気密性が高くなっていますが、それらが結露を発生しやすい原因になっていることもあります。カビは掃除をすれば良いですが、それらを放置してしまうと繁殖に最適な温床として、徐々に範囲が拡大してしまうため注意しましょう。掃除では見えにくい壁の内側や、家財の奥など、放置せずに掃除を行う習慣も大切になります。

建物の老朽化対策


では、建物の老朽化が進んでしまった際にはどのように対策したら良いでしょうか。住宅を建てる際、建築家がそれらの対応について教えてくれたり、アフターフォローとして専門家に繋いでくれるケースもありますので、下記のような手段を参考にしましょう。


① 定期点検

壁・柱・基礎などの構造部分を定期的に点検して、建物の老朽化や兆候を確認しましょう。これらは、定期的に行うことで、早期発見に繋がり、大きなメンテナンス費用がかかるような建物の腐食を防ぐことができます。

②ディテールを意識したデザインを提案する

万が一建物の不具合を見つけた際には、小さな規模で建物の補修を行い、大きな問題が起こらないように早期修繕を行いましょう。

③リノベーション

建物の老朽化を直すための補修工事はもちろんのことですが、必要に応じて建築家にリノベーションを依頼することも可能です。間取りや内装をを変更する、キッチンやバスルームの改装を行うなど、空間にも意識した入れ替えも選択肢に入れておくと良いでしょう。




④補強工事

建物そのものの質を高めるには、構造補強や 耐震性能を行うことが有効です。柱などに補強材を追加することで、老朽化を招く外の原因、つまり災害や天候の影響にも強い建物に生まれ変わらせる選択肢も視野に入れておくと、将来的なメンテナンス費用を削減することが可能となるかもしれません。

まとめ


今回は、建築家が教える建物の老朽化サインについて見てきました。建物の老朽化を完全に防ぐことは難しいものの、それを少しでも食い止める工夫を行うことは可能です。ぜひ、建物を大切にする工夫の一つとして、日々の視覚的な変化を察知し、必要なメンテナンスについてなど押さえておきましょう。


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