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建築コラム

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コラム

2022.12.12

そこ、何ミリ必要?間取りづくりで重要な「最適寸法」を徹底解説!

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間取りを作成するうえで最適寸法を理解することはとても重要です。


最適寸法をおさえておかないと広い部屋でも広く感じなかったり、使い勝手に支障が出たりするからです。


たとえば、広い部屋でも入り口のドアが狭かったり、家具の横の通路部分が狭かったりすると窮屈に感じてしまいます。間取りの設計には適切なバランスと最低限必要な寸法があります。


この記事では以下の最適寸法について解説します。


  • リビングの寸法
  • ダイニングの寸法
  • キッチンの寸法
  • 玄関の寸法 
  • ベッドの寸法
  • クローゼットの寸法 
  • 駐車場
  • その他

リビングの寸法


リビングにはソファやテレビなどを配置しますが、そのときの家具や空間の最適寸法を解説します。

ソファの横幅


ソファの横幅は2000ミリを基準にしましょう。


2000ミリは3人掛けでソファのサイズです。一人当たりのクッションのサイズが600ミリで、600ミリ×3=1800ミリ。両サイドにアームが100ミリずつついて、合計2000ミリです。


3人で座ることもできますし、寝そべってベッドのように使用することもできます。


ソファは様々なサイズがありますが、横幅2000ミリが汎用性も高く大きすぎずおすすめです。


ソファの横の通路


ソファ横の通路は900ミリ確保しましょう。


一般的な廊下は750〜900ミリでつくられています。750ミリでも問題ありませんが、900ミリほどあると圧迫感を感じにくく、ゆとりのある空間になります。


また、ソファの両端に通路がある場合はメインの通路部分を900ミリ以上確保し、もう片方は最低限人が通れる500ミリ程度で問題ありません。

部屋の横幅が3500ミリだった場合、通路950ミリ、ソファ2000ミリ、通路550ミリなどで配置するとバランスが良いでしょう。


ソファのサイズや間取りを検討しているときはソファの横の通路幅が900ミリ確保できるかを確認しましょう。

テレビ台の横幅


テレビ台の横幅は1800ミリ必要です。


テレビ台はテレビよりもある程度大きくないとバランスが悪く見えます。

テレビのサイズの目安は以下の通りです。

  • 40型…幅885ミリ高さ498ミリ
  • 50型…幅1107ミリ高さ623ミリ
  • 60型…幅1328ミリ高さ747ミリ

もっと大きなテレビを検討している場合はさらに大きなサイズのテレビ台が必要です。

テレビとソファの距離


テレビとソファの距離は3000ミリを基準にしましょう。


テレビのサイズによっても適切な視認距離は変わりますが、3000ミリあった方がソファの前の空間を座卓スペースなどで利用しやすいです。


ちなみにリビングだけの空間で8帖確保できたら、テレビとソファの距離は自然と3000〜3500ミリになります。部屋の広さはLDKで表記されがちですが、リビングだけで何帖かも重要です。


テレビの視認距離だけでなく、空間の使い方も考慮してテレビとソファの間は3000ミリ以上確保しましょう。

ダイニングの寸法


ダイニングは椅子に座り、テーブルで食事や作業をします。リビングと同様に過ごす時間が長いため快適に過ごせるように寸法を検討しましょう。


ダイニングテーブルの一人当たりの寸法


一人当たり必要な寸法は幅700ミリ、奥行き425ミリです。


食事のときは大きなお皿が食卓に並ぶこともあるためゆとりが必要です。また、作業をするときも広いテーブルのほうがはかどります。


つまり、4人掛けのテーブルなら幅1400ミリ、奥行き850ミリが最適な寸法となります。


幅1200ミリの4人掛けテーブルもありますが、大人4人では使うには小さいのでおすすめできません。

椅子をひくときの寸法


椅子を引くことを考えると、テーブルの後ろには900ミリのスペースが必要です。


900ミリあると、椅子を引いて座ったときに後ろの通路スペースも確保できます。


つまり、ダイニングスペースが壁と壁に挟まれているときは、

通路900ミリ+テーブル850ミリ+通路900ミリ=合計2650ミリが最低限必要です。


椅子を引くたびに壁に椅子がぶつかるということがないようにテーブルの後ろは900ミリ確保しましょう。

キッチンの寸法


キッチンは狭すぎたり広すぎたりすると毎日の作業に支障が出ます。最適寸法をおさえて快適に料理ができる空間にしましょう。

キッチン


キッチンは幅2550ミリ、奥行き650ミリ以上のサイズを選びましょう。


キッチンの幅が大きいと作業スペースだけでなく、下の収納も大きくなります。可能な限りキッチンの幅は大きい方がおすすめです。


ペニンシュラキッチンやアイランドキッチンは奥行きが900ミリほどあります。作業スペースがさらに広くなるため、お皿や調理器具が並んでも快適に料理ができます。


食器棚


食器棚は最低1800ミリ必要です。


よく使う家電がゆったりと並ぶのが1800ミリだからです。電子レンジ、電子ジャー、トースターを考えただけでも1350ミリほどのスペースが必要になります。


また、お皿やコップなどの食器の収納を考えてもなるべく食器棚のスペースは広く確保した方が良いです。

キッチンと食器棚の間の通路


対面キッチンの場合、キッチンと食器棚の間の通路は900〜1100ミリにしましょう。


900ミリより小さくすると狭く感じますし、引き出しを開けるときに邪魔になります。

1100ミリより大きくすると振り返ったときに一歩増えてしまうため使い辛くなります。


注意点は冷蔵庫です。冷蔵庫と食器棚が並ぶ間取りは、冷蔵庫が食器棚よりも250ミリほど出っ張ります。そのとき、冷蔵庫とキッチンの間は最低でも700ミリ確保できるように寸法の調整が必要です。


キッチンと食器棚の間の通路は広すぎても狭すぎても使い辛いので注意しましょう。


冷蔵庫


冷蔵庫を置くスペースは幅780ミリ確保しましょう。


600リットルを超える冷蔵庫は700〜750ミリの横幅があります。買い替えを想定して少し大きめのスペースを取っておいた方が良いです。


また、スペースに余裕があった方が扉を大きく開くことができるため、ポケットや引き出しが使いやすいのもメリットです。


ちなみに奥行きは750ミリ、高さは2000ミリ必要です。買い替えや使い勝手を考慮して冷蔵庫スペースを計画しましょう。

配膳カウンタ-


配膳カウンターは奥行き250ミリ必要です。


もっと小さくてもお皿は乗りますが、皿がはみ出ると体が触れて落ちてしまう危険性があります。


料理の最中にボールや大皿を置くことを考えても、配膳カウンターは大きい方が使いやすいです。人造大理石など防水に配慮した材質を使用すればメンテナンスや劣化を気にせず使用できます。


玄関の寸法


玄関は過度に広くする必要はありません。圧迫感がない程度の寸法で計画して無駄をなくしましょう。

玄関の横幅と奥行き


玄関は横幅1200ミリ、奥行き1200ミリあれば十分です。


玄関は普通の廊下より少し大きく取りましょう。玄関には脱いだ靴が並んだり、荷物や買い物袋を持ったりしていることがあるからです。


もっと広いほうが見栄えは良いですが、あまり大きくしすぎるとリビングや収納のスペースが小さくなります。


昔の日本の住宅は玄関を家の顔と言わんばかりに大きくしていましたが、本当に必要な広さは見直した方が良いです。

玄関ポーチ


玄関ポーチは幅1800ミリ、奥行き1200ミリ確保しましょう。


特に奥行きが重要です。玄関ドアを外から開けたとき、奥行きが少ないと人が立つスペースがほとんどなくなってしまうため使い辛いです。


また、開き勝手に合わせてスペースを取ることも重要です。玄関ドアの吊元側ではなく、取っ手側にスペースがあった方が玄関ポーチは広く感じます。


玄関ポーチが狭すぎると足を踏み外す危険性もあるため、できる限り広くしましょう。

ベッドの寸法


ベッドは最も大きな家具です。快適な睡眠のためにも適切な寸法を確保しましょう。

ベッドの配置


ベッドで寝るときは一人当たり700ミリの横幅を考慮しましょう。


これはダブルベッドの横幅に倣っています。ダブルベッドは横幅1400ミリのため、一人当たり700ミリです。


とはいえ大人2人でのダブルベッドは少し狭いため、大人と子どもでダブルベッドを使用しましょう。4人家族ならダブルベッドを2つ置いたら全員横並びで寝ることができます。


もちろんシングルベッドを人数分置けるのがベストですが、そこまで広い寝室はなかなか計画できません。そのときは700ミリを最低寸法で考えましょう。

ベッドのまわりの通路


ベッドのまわりの通路は500ミリ必要です。


壁に挟まれているわけではないので、廊下ほど寸法を取る必要はありません。テレビなどの家具を置く際は、家具からベッドまでで500ミリ確保しましょう。


500ミリはなんとか人が通ることができ、ギリギリシーツを替えることができるスペースです。掃除を考えてもこれくらいの寸法が必要です。


寝るだけの部屋にスペースを取りすぎるのももったいないため、ベッドまわりの通路は500ミリを基準にして計画しましょう。

クローゼットの寸法


クローゼットをしっかり計画することで部屋がすっきりと片付きます。

クローゼットは身支度や収納で毎日使用するため使い勝手を考慮した寸法にしましょう。

ハンガーパイプの長さ


ハンガーパイプの長さは一人当たり1700ミリ確保しましょう。


1700ミリあれば衣替えなしで全ての洋服が収納できる人も多いはずです。特に男性なら十分な量ではないでしょうか。


クローゼッㇳはなるべくハンガーにかけて収納できるようにしましょう。その方が畳む手間もいらず、しわもつかず、洋服選びもしやすいからです。

クロ-ゼットの中の通路


クローゼットの中の洋服と洋服の間は800ミリ確保しましょう。


洋服がかさばるため、800ミリより狭いと窮屈に感じてしまいます。また、衣装ケースの引き出しを開けることや中で着替えることを考えても多少のゆとりが必要です。


洋服の奥行きは約500ミリです。そのため、真ん中が通路で両側がハンガーパイプというクローゼットなら、500ミリ+800ミリ+500ミリ=1800ミリの幅が最適でしょう。


少しゆとりをもたせるだけでクローゼットの使い勝手は大きく向上します。


駐車場の寸法


駐車場はゆとりをもって計画しなければ駐車するときや乗車するときにストレスを感じます。

車の横の通路


車の横の通路は運転席側で900ミリ、助手席側で600ミリ必要です。


900ミリなければ運転席のドアを開けるときに都度気をつけながら開けなければいけません。

600ミリは気をつけながらドアを開ければ何とか乗り降りができる最低の寸法です。


つまり、駐車場の幅は車体に1500ミリを足した幅以上で設けたほうが良いです。1500ミリ幅の軽自動車なら3000ミリ以上、1850ミリ幅のミニバンなら3350ミリ以上の駐車場が必要です。


快適に乗り降りができるように、駐車場には十分な横幅を確保しましょう。

車の後ろ


車の後ろは1000ミリのスペースを確保しましょう。


トランクのバックドアを開けるスペースが必要なためです。


スキー板、釣り竿などの長い物を出し入れするならもっとスペースに余裕が必要です。1000ミリは最低限の寸法と考えておきましょう。


駐車場の奥行きはつい車体寸法ギリギリで考えがちなので、注意しましょう。

その他の寸法


その他以下のような寸法には注意が必要です。

建具の開口幅


建具の開口幅は700ミリ確保しましょう。


家具や家電の搬入を考慮する必要があるからです。人が通るだけなら500ミリもあれば十分ですが、洗濯機、冷蔵庫、机、ベッドの搬入を考慮すると700ミリは必要です。


特に洗濯機の搬入には注意しましょう。居室と違って水まわりの建具は小さなサイズで計画することが少なくありません。

階段の蹴上


階段一段当たりの高さを蹴上(けあげ)といいます。階段の蹴上は190〜200ミリにしましょう。


建築基準法では蹴上は230ミリ以下とされていますが、230ミリはかなり急で下りるときに非常に危険です。


階段の寸法は踏み面(階段一段当たりの奥行き)+蹴上+蹴上を600ミリ前後にすると上り下りしやすいと言われています。階段は家の中で最も危険な場所なので、踏み面と蹴上のバランスを考えて計画しましょう。

まとめ


寸法を適切に計画すると以下のようなメリットがあります。


  • リビング→広く見える
  • ダイニング→ストレスなく食事や作業ができる
  • キッチン→料理がはかどる
  • 玄関→無駄なスペースがなくなる
  • ベッド→掃除や洗濯がスムーズにできる
  • クローゼット→使いやすくなる
  • 駐車場→乗り降りしやすくなる

ストレスなく快適に生活するためには、このような細かい検討をする必要があります。

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