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建築コラム

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建築家のこと

2022.12.23

子育て世代必見!子どもの成長に合わせた間取り設計

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子育て世代は子どもの成長に合わせた間取りを考えなければいけません。


なぜなら間取りの工夫で大変な子育ての負担が大幅に減るからです。子どもが小さいときは大変な時期でもありますが、同時に一番思い出が残る時期でもあります。少しでも負担が軽くなり、子どもの成長を楽しめたら嬉しいですよね。


具体的には以下の4つの時期に分けて必要なことを解説します。

  • 赤ちゃんのとき
  • ハイハイがはじまったら 
  • 保育園や幼稚園に行きはじめたら
  • 小学校に行きはじめたら

以下にて詳しく解説します。


赤ちゃんのとき


赤ちゃんのときは、お昼寝、おむつ替え、お風呂が楽に行えるように配慮しましょう。


赤ちゃんは毎日同じことの繰り返しです。これらがストレスなくスムーズに行えるような間取りにすることが重要です。


具体的に注意するのは収納と動線です。


お昼寝スペースを考える


お昼寝スペースを考えましょう。


そこまで広くは必要ありませんが、ベビーベッドが置けるくらいのスペースがあればベストです。また、小さな畳コーナーなどを設けても良いと思います。赤ちゃんが大きくなっても家事コーナーやパソコンコーナーとして使用できます。


エアコンの風や日差しが直接当たらないように注意しましょう。テレビやキッチンの生活音が聞こえやすい場所もよくありません。


赤ちゃんが寝ているときはお母さんの休憩時間です。赤ちゃんのためにもお母さんのためにも、快適にお昼寝ができるスペースを考えておきましょう。


おむつの収納


おむつの収納スペースを設けましょう。


おむつ替えは、紙おむつ、おしり拭き、ゴミ箱などのアイテムが必要だからです。紙おむつとおしり拭きはまとめ買いして収納できると買い物の手間も省けます。


収納は奥行き15センチほどで十分です。できればリビングやお昼寝スペースの近くにこの収納を設けましょう。おむつの収納をしなくなったらティッシュなどの消耗品の収納や薬箱、工具入れの収納などで使用できます。奥行きが20センチほどあればA4サイズの書類置きとしても利用可能です。


十分な量のおむつ収納がリビングまわりにあればおむつ替えの手間はかなり省けます。


お風呂


一人でなにもできない赤ちゃんを大人一人でお風呂に入れるのはかなり大変な作業です。少しでも楽にできるように、お風呂・脱衣所は廊下からではなくLDKからいけるように計画しましょう。


LDK続きのお風呂・脱衣所とすることで脱衣所が温かくなるからです。廊下続きの脱衣所だと、お風呂に入る前や出た後が寒いため大変です。


また、少し大きくなって一人でお風呂に入れるようになったときでもLDK続きの脱衣所の方が様子を確認できるため安心です。この点を考えると二階に脱衣所、お風呂を設ける間取りは子どもが小さいうちは苦労が多いと思います。


お風呂が苦にならないようにするためには脱衣所・お風呂をLDKからいけること、LDKから様子を見れるようにすることがとても重要です。


ハイハイがはじまったら


ハイハイがはじまったら家の中の行動範囲や遊び方ががらっと変わります。


危険な場所にいかないようにする行動を制限する必要がありますし、おもちゃを使って遊びだすので片付けのしやすさも考える必要があります。


また、手が届く位置のものはなんでも触ります。財布や鍵など。貴重品は子どもの手が届かない位置に置かなければいけません。


特に注意が必要なのは以下の項目です。


ベビーゲート


キッチンや階段など、危険な場所に行かないようにベビーゲートを設置しましょう。


ハイハイをはじめた子どもは少し目を離した隙にどこにでもいきます。歩きはじめたらなおのこと目が離せなくなるので、行ってほしくない場所には行くことができないようにしておくべきです。


ベビーゲートは壁など平らな面がないと設置することができません。数年のことかもしれませんが、設置をすることでお母さんの負担なく危険を避けることができます。


ベビーゲートをそこに設置するかは間取りを検討している段階で考えておきましょう。

おもちゃの片づけ


おもちゃをどういう風に片づけるかを考えておきましょう。


子どもがいる家庭のリビングはほぼ毎日おもちゃがあふれています。毎日毎日おもちゃの片付けに追われているお母さんも多いはずです。


重要なのは子どもでも簡単に片づけができるような環境を作ることです。物入れ扉を開けて引き出しに収納、なんてことは子どもは絶対にしません。蓋のない箱を数個用意して箱の置き場を決めておく、くらいが良いでしょう。


片づけてもまたすぐにまたひっくり返して遊ぶこともあるので、なるべく片づけまでの手間を少なくいて、何度でも少ない労力で片付けできるようにしておいた方が楽です。


本棚


絵本の収納場所が必要です。


絵本は大きいサイズの物が多いため、収納場所がないとかさばるからです。


通常の本棚は奥行き20センチくらいでも十分ですが、絵本用の本棚の奥行きは最低30センチ、できれば40センチ必要です。そうすると出っ張ってる本も少なくすっきりと収納できると思います。


絵本の収納が不要になっても書類置きで使用できます。リビングにおもちゃ収納と合わせて絵本収納を確保しましょう。


保育園や幼稚園に行きはじめたら


保育園や幼稚園に行きはじめたら生活リズムをサポートするような間取りである必要があります。


身支度、収納など、子どもにとっては慣れない作業を毎日しなければいけなくなるからです。間取りが使い辛いと、これらの作業はなかなか習慣化しません。


最も重要なのは動線です。使いやすい収納やクローゼットが二階にあってもしばらくは機能しません。クローゼットは玄関やリビングの近くに設けることで自然な動きで着替えたりバッグを置いたりすることができます。

クローゼットを玄関やリビングの近くに


繰り返しになりますが、玄関やリビングの近くにクローゼットを設けましょう。


クローゼットが良い位置にあると出かける前や帰宅時に洋服やバッグを置く場所が明確になります。片づけるという習慣もつきやすいです。


2階や離れた場所にあるクローゼットは使い辛いため、リビングや玄関に洋服やバッグが散らかってしまいます。

作品を飾るスペース


持ち帰った絵や工作などを飾るスペースを設けましょう。


保育園や幼稚園では定期的に工作やお絵描きがあります。せっかくの作品をすぐに綴じてしまうのはもったいないので一定期間飾っておきましょう。


壁面を利用すれば絵をかけることができます。レールをつければ壁に穴をあけずに絵をかけることができます。

また、飾りカウンターがあると小物も飾れます。下駄箱を利用しても良いですし、壁の厚みを利用してニッチを作るのもおすすめです。

小学校に行きはじめたら


小学校に行きはじめたら、自分の空間や自分の習慣がより重要になります。


小学生になると自分でできることが増えるからです。宿題をしたり、友達と遊んだりしやすい工夫をしてあげましょう。


具体的には子ども部屋を利用し、自転車に乗るようになります。なるべく自分でなんでもできるような工夫が必要です。

帰宅動線を考慮する


帰宅動線を考慮しましょう。


学校から帰宅したあとは、やらないといけないことがたくさんあるからです。自然と習慣にするためにはスムーズな動線が必要です。


まずは玄関ホールの近くにクローゼットを設けましょう。そうすることでバッグを置き、上着を脱いで収納する習慣が身に付きます。


次にしないといけないのは手洗いうがいです。洗面所が玄関の近くにあるといいですが、間取り的に難しければセカンド手洗いを廊下に設置してもよいです。手洗いうがいをするように都度言わなくても、自然にできるような動線が重要です。


最後に宿題です。リビングにカウンタースペースがあればそこで自然とノートを広げることができます。学校でもらったプリントや使用した箸を出すのもカウンターがあると便利です。本棚も設けるとそこで日課表を見ながら教科書をそろえることもできます。


宿題はもちろん自分の部屋でやってもよいですが、習慣にすることとわからないところを教えることなどを考えるとリビングでできた方が理想的です。


帰宅動線を考慮したクローゼット、手洗い、勉強カウンター・本棚を計画すると習慣化がしやすくなります。

子ども部屋の広さ


子ども部屋はできれば6帖設けましょう。


6帖あるといろいろな家具を置いたり、友だちと遊んだり、友だちとお泊り会をしたりすることができます。


ベッドと机と洋服掛けを置くだけなら4帖でも十分可能です。しかし、自分の部屋で楽しむということを考えると4帖では少し小さいかもしれません。


また、6帖あればいざというときに寝室として使用することもできます。子ども部屋として使用しない期間の汎用性も考慮しましょう。

自転車スペース


自転車をどこに置くか考えておきましょう。


自転車のスペースは遅かれ早かれいずれ必要になるからです。雨よけの屋根も必要なため、最初から考えておかないとスペースを確保するのが難しい場合もあります。


自転車スペースの屋根は以下のような方法で設置することができます。

  • サイクルポートをつける
  • 大きめのカーポートをつけて、車と一緒に自転車を置く
  • 自転車スペース付きの倉庫を置く
  • 建物の軒下を自転車スペースにする

自転車を毎日使用するような時期も来るかもしれません。後々困らないように最初から考えておきましょう。

庭の使い方


庭は計画次第で遊べる空間にすることができます。


公園やアウトドアでするような遊びを庭で再現することができるからです。舗装や砂利で仕上げると草取りなどの手間は省けますが、遊びに関してはかなり限定されてしまいます。


具体的には、

  • 土の部分を残して砂遊びをする
  • 芝生のじゅうたんでピクニックをする
  • ミニテントを出してキャンプ気分を味わう
  • プールを出す
  • バーベキューをする
  • 菜園で野菜や花を育てる

などの楽しみ方があります。


以下のような計画をすると庭でより遊びやすくなります。

芝を張る


庭に芝を張ると寝転がって遊ぶことができます。


はだしで歩いてもあまり痛くないですし、真夏でも熱くなりすぎないのもメリットです。ミニテントを出してキャンプ気分を味わうこともできます。


芝は自分で張るのもそこまで難しくはありません。芝はホームセンターで購入することができますし、均した土の上に敷くだけで施工が完了します。あとは水を上げて伸びたら刈るだけでどんどん成長してくれます。


あまりに広い範囲だと水やりと芝刈りが大変ですが、お手入れも含めて楽しむことができます。

ウッドデッキ


ウッドデッキがあると外に出て庭で遊ぶのがより楽しくなります。


ウッドデッキは室内と屋外の間で空間をつないでくれるからです。ウッドデッキがあると外に出ることのハードルが一気に下がります。


たとえば、月や星がきれいな日にウッドデッキに出て空を眺めるととても気持ちいいです。ふとした時に外に出やすいのがウッドデッキの大きな魅力です。


季節がよいときは椅子を出して外で本を読んだり飲み物を飲むだけでも特別な気分を味わえますし、夏はプールを出したりバーベキューをしたりすることもできます。ハンモックを置いてリゾート気分を味わうのも楽しそうです。


タイルデッキでも同じようなことはできますが、夏季のタイルデッキは火傷するほど温度が上がります。また、照り返しも激しいため軒を深くかけないと温熱環境が悪くなるので注意しましょう。

菜園


せっかく庭があるなら菜園を楽しみましょう。


菜園スペースがあると植物の成長を楽しみながら野菜や薬味の収穫ができます。お花を植えると単純に庭が華やかになるのでおすすめです。


トマトやきゅうりなどの栽培が簡単な野菜やネギなどのよく使う薬味は料理での使い勝手も良いです。


菜園スペースがなくてもプランターで育てることも可能です。


まとめ


具体的には以下のようなことに注意すると子育てがしやすい間取りをつくることができます。


  • お昼寝、おむつ替え、入浴がしやすい間取りにする
  • 行動範囲を考えて危険を避ける
  • おもちゃ、絵本などの収納を考える 
  • 通園通学の準備や片付けがしやすくする
  • 帰宅動線を考えてクローゼットや勉強スペースをつくる
  • 子ども部屋の使い方を考える
  • 庭での遊び方を考える

子育ては一時のことだと考えず、少ない負担で子育てができるように間取りを計画しましょう。

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