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建築コラム

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2023.01.31

建築家が教える建築会社の選び方!注意点やチェックポイントを解説

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建築会社を選ぶ基準はわからないですよね。この記事では建築家が建築会社を選ぶ基準をご紹介します。展示場に行ったとき、ホームページを見たとき、こう思う方は多いのではないでしょうか。


  • 全てよく見えて何を基準に選べばよいのかわからない。
  • 自分たちの要望がかなうか不安。
  • 家づくりで失敗したくない。

この記事ではこのような悩みを解決します。


建築会社を選ぶ際、得意分野、実績、まわりからの評判などを見ると思いますが、他にも重要なことがあります。大きな会社だから安心、営業マンに誠意があるから、といった理由だけで建築会社を選ぶと大切な要素を見落としてしまうかもしれません。


建築家が教える良い建築会社の選び方を知りたい方はぜひこの記事を読んで参考にしてください。


建築家が解説する良い建築会社の基準


良い建築会社は以下のことがしっかりとできています。言い換えると、顧客が安心して家づくりを進めることができるための条件と言えます。


  • 資金計画を丁寧につくる
  • アフターメンテナンスの体制がある
  • 性能表示制度を利用している
  • 工事現場が整理整頓されている
  • スケジュールの説明が丁寧
  • SNSの情報に敏感

以下にて解説します。

資金計画を丁寧につくる


家づくりには、資金計画の作成が欠かせません。


計画を立てないと思わぬところで予算オーバーになり、資金ショートする可能性があるからです。建築費用だけでなく、家を建てることに関連するすべてのコストを考える必要があります。


建築資金の総額次第では住宅ローンの借り入れ額や建物の床面積を変える必要が出てきます。そのためにも早い段階で資金計画をたてる必要があるのです。

しかし、資金計画は項目も多く複雑。建築費用のほかに、外構、家具、登記、住宅ローン諸費用、税金、印紙税などがあり、正確な総額の算出には建築の専門知識が必要です。


建築会社が建築費用の見積もりしか提示しないのは不親切です。資金計画を提示して、あなたの大切なお金のことを一緒に考えてくれる人と家づくりをしましょう。

アフターメンテナンス体制がある


建築会社として、優れたアフターメンテナンス体制を持つことは絶対に必要なことです。


住宅にはメンテナンスが必須だからです。車に車検が必要なように、家にも点検や補修が必要。長年にわたって家の劣化や不具合と向き合い、安心して暮らすためには建築会社のアフターメンテナンス体制は欠かせません。


住宅のメンテナンスの具体的な内容は以下の通りです。


  • 定期点検
  • 定期メンテナンス(外装、内装、シロアリなど)
  • 緊急修理
  • 予防保全

これらを行うためには専門知識だけでなく、施工体制や問い合わせ窓口などのカスタマーサポートシステムが必要です。


優れたアフターメンテナンス・システムは、顧客の信頼と満足につながるため、結果建築会社のためにもなります。潰れずにずっと残り続ける建築会社を選ぶという意味でもアフターメンテナンスはとても重要です。


住宅性能表示制度を利用している


現代において住宅性能表示制度の利用はもはや常識です。


住宅性能表示制度を利用することによって建物の性能が可視化され、安心して家を購入することができるようになったからです。建築会社にとっても、この制度を用いて自社の住宅性能を公的判断のもとにアピールすることができます。


住宅性能表示制度は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)に基づく制度で、2000年に運用が開始されました。建築物の構造、耐火、劣化、維持管理、温熱などについて等級を定め、建物の性能を見える化しています。


住宅性能評価を利用することで住宅の性能をより幅広く把握し、長期的に高額な修繕費や光熱費を節約できるような住宅を選ぶこともできます。


工事現場が整理整頓されている


優れた建設会社は、整理整頓された現場が成功の鍵であることを知っています。


精度の高いスムーズな工事を行うためには綿密な工事計画と細部への注意が必要で、そのためには現場がきれいであることが重要だからです。


現場が物であふれて散らかっていると、現場の作業効率は確実に落ち、混乱や遅れが生じます。ケガをする危険も高く、現場監理の精度も下がります。


よく整理された現場は信頼できる経験豊富な建設会社の証しであり、期限通りに水準以上の仕事をするための環境であるといえます。


スケジュールの説明が丁寧


良い建築会社はスケジュールの説明が丁寧です。


詳細なスケジュール説明がないと家づくりの流れを把握することができません。着工日によって間取りはいつまでに決めれば良いのかが変わり、いつ融資実行されるかによって融資手続きが必要な日程が変わります。

忙しい中かなりの手間をかけて家づくりを進める必要があるため、いつまでに何をしなければいけないかを事前に把握することはとても重要です。


以下は家づくりの大まかな流れです。

  1. 建築会社へ相談
  2. 土地探し
  3. 間取り提案
  4. 資金検討
  5. 融資仮申込
  6. 概算見積もり提示
  7. 契約(土地、建物)
  8. 間取り確定
  9. 見積もり提示
  10. 融資本申込
  11. 土地決済
  12. 仕様の確定
  13. 見積もりの確定
  14. 発注契約
  15. 地鎮祭
  16. 着工
  17. 引き渡し
  18. 引っ越し

計画によって多少のずれや過不足はありますが、各手続きの期間や必要な書類などが事前にわかれば安心です。


スケジュールは家づくりの基本中の基本。親切な建築会社は必ず説明があるはずです。

SNSの情報に敏感


SNSにはとても重要な情報があふれています。


SNSには体験談が多いからです。専門的な知識も重要ですが、実際に使ってみてどう感じたか、良かったことや悪かったことは何かなどを発信している正直な意見はとても参考になります。


特にインスタグラムは写真や動画が中心のコンテンツなのでイメージがわきやすくて人気です。ショールームや実物件が近くになくても、完成イメージを確認したり実際の感想を聞いたりすることができます。


素人のコンテンツだからとバカにしている建築関係者ははっきり言って勉強不足です。SNSにはたくさんの参考になる情報があります。


建築会社選びの失敗例


建築会社を選ぶとき、避けなければならない失敗の可能性がたくさんあります。よくある失敗例を参考に、調査や対策をしっかりと行って同じ失敗をしないよう注意しましょう。


具体的な失敗例は以下の通りです。


契約した後に見積もりがどんどん上がった


契約後に見積もりが増額してくるという現実があります。


契約前は建築会社が見積もりを安く見せていることや、契約までの打ち合わせが不足していることが原因でこの悲劇は起こります。


契約後に見積もりが極端に上がると資金繰りに困るだけでなく、大きな不満と懸念の種となり、楽しいはずの家づくりで嫌な思いをしてしまいます。


契約前にしっかりと打ち合わせをすること、入っている内容と入ってない内容を把握すること、ちゃんと希望が叶ったプランと見積もりになっているかを確認することが重要です。


住んだ後に予想外の費用がかかった


住宅は、住んでからもランニングコストやメンテナンスコストがかかります。


住宅の断熱性能によってガスや電気などの光熱費は異なります。断熱性能が不十分な家は熱が伝わりやすいため、外部の熱気や冷気が室内に入ってきやすい傾向にあります。また、熱を保持する能力がないため、室内温度を快適にしてもすぐに外気の影響を受け、空調費用がかさんでしまいます。


また、定期的なメンテナンスや修繕が必要です。一般的には10年経ったら防蟻工事の再施工や外部コーキングのうち替え、外装材の再塗装などをしなければいけません。これも使用する部材によるため、当初の計画と定期点検が何より重要です。


住宅は住んでからがスタート。住宅ローン以外にも払わなければいけないお金があることを忘れてはいけません。なるべく建築費用を抑えて建てることも重要ですが、たとえ建築費用が上がっても住んだあとにお金がかからない家にすることはもっと重要です。


提案が全くなかった


家づくりにおいて建築会社からの提案の重要性は計り知れないものがあります。


家づくりはとても選択肢が多いからです。数ある選択肢の中から最適な部材や施工方法を選べるのが家づくりの最も楽しいところでもあります。


たとえばキッチンを例にあげてみましょう。


まずシステムキッチンメーカーだけで数十社の選択肢があります。メーカーごとに使用できる材料や収納の形が違い、特許を取得しているようなオリジナル商品もあります。オーダーキッチンまで選択肢に入れたら、さらに選択肢は広がります。


メーカーを決めたら、扉、カウンター、シンク、収納、コンロ、フード、食洗機、水栓などについてメーカーの様々な商品ラインナップの中から選んでいきます。


こういった検討をキッチン以外の設備や、外装材、内装材でも行います。自分で調べるのは少し大変ですよね。したがって、顧客の希望や特性に合わせた建築会社からの提案がとても重要になるのです。


提案は専門知識だけでなく、顧客のニーズを把握し、分析する力が必要なので、簡単ではありません。しかし、建築会社の良い提案無しに良い家ができないのも事実です。

要望に合わせてしっかりと応えてくれる建築会社を選ぶ必要があります。


必要な手続きや家づくりの流れの説明が不十分


必要な手続きや家づくりの流れを十分に説明しない建築会社に任せると、スムーズに家づくりを進めることができません。


家づくりは、最初から最後まで本当に手続きが多いからです。


融資、登記、請負契約、保険は書類や準備物が多く、段取りよくこなせなければ疲れてしまいます。

また、住宅ローンを利用する場合でも契約時、着工時、土地決済時に必要な中間金、局納金、納税もあるため現金の準備がある程度必要です。


バタバタしないためにも、流れの説明が丁寧で、段取り良く手続きのアナウンスをしてくれる建築会社を選びましょう。


建築会社を選ぶときの注意点


建築会社を選ぶときの注意点をご説明します。かなり具体的なことを解説します。


情報は取捨選択が大事


情報は取捨選択が重要です。ネットやSNSからたくさんの情報を入手し、建築会社からもたくさんの提案を受けると何が正しいかわからなくなりますが、情報は頑張って整理しましょう。


なぜなら、たくさんの情報の中には間違ったもの、関連性のないもの、古いものが含まれるからです。誰かにとっては重要なものでも、自分にとっては不要な情報もあるでしょう。


たとえば、「建物の保証が10年では短すぎる」という意見があったとします。構造や雨漏りのリスクが高まるのは築年数が10年よりももっと後になるので、たしかに長期保証の方がより安心です。

しかし、実際に長い期間家を大事にすることを考えると、長期保証よりも適切な点検とメンテナンスの方が重要という意見もあります。実際に、古くても適切なメンテナンスをしている家はきれいで長持ちします。


情報は全て正しいと言うわけではないため、情報を取捨選択して何を重視するかを考えましょう。


設計自由度と提案力があるか


設計の自由度や提案力は、建築会社を選ぶ際の重要な要素です。


設計の自由度が高ければ細かい要望にも応えることができ、提案力があれば潜在ニーズに響くプレゼンテーションができるからです。


家づくりは本当にたくさんの検討が必要です。間取りや外観だけでなく、設備、収納、電気など、詳細部分の完成度をどれだけ高められるかで使い勝手や住み心地が変わってきます。


打ち合わせを重ねる中で意見に柔軟性が感じられないなら、自由度や提案力が不足しているかもしれません。


要望をただ叶えただけの提案ではないか


建築会社からの提案を受ける際、あなたが出した要望をただ形にしただけなら良い提案とは言えません。


なぜなら、そこにはプロの視点からの提案がないからです。あなたの要望が建築士から見たおすすめと全く同じであれば良いのですが、そんなことは滅多にないはずです。


もちろん顧客の要望に建築士が応えることはとても重要なことです。誰から反対されようともやりたい計画もあるでしょうし、何が正解かを判断するのは住まい手自身だからです。


しかし、それだけでは良い家づくりはできません。ときには顧客の希望に反することだとしても、プロの目で見て勧められないことは正直に言うべきです。


たとえば、要望に応えたプランと建築士のおすすめプランの複数提示がある建築会社は素晴らしいと思います。かなり手間はかかりますが、その方が納得した上で顧客自身が選択することができます。


親身な建築会社は住まい手の要望と同じくらいこだわりを大事にしているはずです。

まとめ


建築会社の選び方について解説しました。


良い家を建てるには、間取り、デザイン、予算、使い勝手など、様々なことを検討しながらたくさんの選択をしなければいけません。その選択を正しく行っていくためには建築会社が信頼できるパートナーである必要があります。


住んだ後も長く付き合える建築会社を選び、理想のマイホームを建てましょう。

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