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建築コラム

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2023.03.01

建築家がキッチンの選び方を解説!キッチンを検討するときのチェック項目とは?

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家づくりをするときの大きな悩みの一つにキッチン選びがあります。


キッチンは、食事を作ったり、洗い物をしたりするため、家の中心とも言えます。キッチンの選び方はとても重要で、キッチン次第で快適に料理ができるか、すっきり収納ができるかなどが変わってきます。


しかし、キッチンは種類や選択肢が多いため、最適な商品を選ぶのがとても難しいというのが現実。

そこで今回は、建築家の視点から、キッチンの選び方について解説していきます。


新築やリフォームを検討している方にとっては必見の内容です。ぜひ最後まで読み進めてください。

建築家が解説するキッチン選びのポイント


キッチン選びは様々なことを考慮しなければいけません。

スペース、機能、デザイン、耐久性、予算など、考え始めたらキリがありません。


その中でも、特に抑えたほうがよいポイントを以下にてご紹介します。


  • デザインを重視する
  • 収納を確認する
  • 食洗機にこだわる
  • レンジフードは掃除に注意する
  • 自分に合ったコンロを選ぶ
  • 水栓はタッチレスや浄水器を検討する

デザインを重視する


キッチン選びはまず、デザインを重視しましょう。


キッチンが家全体の印象を左右するからです。


キッチンは家族が多く集まる場所であり、毎日使う場所です。昔の台所というイメージというよりは、リビングに溶け込むようなキッチンが多く計画されています。

キッチンのデザインが美しいと、家全体のインテリアがおしゃれになり、統一感を出すことができます。


しかし、デザインだけにこだわりすぎると、機能性や耐久性に欠けるキッチンを選んでしまう可能性があるため注意しましょう。デザインだけでなく、機能性や耐久性にも注目して、バランスよく選ぶことも大切です。


キッチンのデザインにこだわることで、おしゃれなインテリアをつくり、生活空間を心地よくすることができます。


収納を確認する


キッチンは収納が重要です。


収納を重視する理由は、以下の3つとなります。


  1. キッチンが使いやすくなる

キッチンでの作業効率を高めるには、必要な道具や材料をすぐに手に取れるようにすることが大切です。収納にこだわって調理器具や調味料を整理することで、作業の流れをスムーズに進めることができます。

また、キッチンの作業スペースは限られているため、余分なものがあると調理作業中に邪魔になってしまいます。収納にこだわることで、不要なものを取り除き、スペースを確保することができます。


  1. 整理整頓がしやすくなる

収納スペースが十分なキッチンは、調味料や食材、調理器具、食器などを整理整頓しやすくなります。調理中や収納時に手間取ると大きなストレスを感じてしまうため、効率よく作業するためにも充実した収納は重要です。


  1. 衛生的なキッチン環境を維持できる

キッチンは、調理器具や食器、食材などが集まる場所であり、衛生的な環境を維持することが大切です。収納スペースが不足すると、食器や食材を清潔な環境で保管することが難しくなります。十分な収納量で調理器具や食器、食材を適切に収納することができれば、清潔な環境を維持することができます。


以上の理由から、キッチン選びにおいては、収納スペースがとても重要です。キッチンの間取りや、キャビネットやシェルフの配置を工夫して収納スペースを確保しましょう。


食洗機にこだわる


キッチン選びでは食洗機にこだわりましょう。


その理由は、食洗機次第で、時間、手間、光熱費が大幅に節約できるからです。


食洗機は時間と手間を大幅に節約できます。食洗機は洗剤を入れて食器を並べるだけ。手洗いで食器を洗う場合は多くの時間と手間がかかるため、とても便利です。

それに加え、食洗機は高い洗浄力があります。食洗機は、高温で水や洗剤を使って、食器を徹底的に洗浄するため、手洗いに比べて洗浄効率が高いためです。食洗機を使用することで清潔な食器を使用することができます。


また、手洗いでは多くの水や洗剤を使いますが、食洗機で使用する水や洗剤の量はごくわずか。電気代はかかりますが、電気料金プランによっては深夜の安い電気代で運転することもできます。


食洗機は商品によって、サイズ、容量、扉の開き方、騒音レベルなどが異なります。メーカーや価格帯にも注意して、最適なものを選びましょう。


使いやすい食洗機を選択することで、家事が楽になり、生活に余裕が出てきます。キッチン選びにおいては、食洗機にこだわることがとても大切です。


レンジフードは掃除に注意する


キッチンのレンジフードの掃除方法を確認しましょう。


レンジフードの掃除はとても面倒だからです。レンジフードは、フィルターやダクトなどが油煙やニオイを集め、排気口から外に排出する仕組みになっていますが、使用頻度が高いため、油汚れやホコリが付着しやすく、掃除が必要になります。


レンジフードの商品によっては、

  • レンジフード内のファンの掃除を自動でしてくれるもの
  • レンジフードに油汚れがたまりにくいもの
  • レンジフードの掃除が簡単にできるもの

があります。価格もチェックしたうえで、なるべく掃除が簡単な商品を選ぶことをおすすめします。


レンジフードに油汚れが蓄積されると、排気効率が低下し、調理中に発生する油煙やニオイを除去することができず、キッチンにニオイがこもりやすくなります。また、フィルターに油汚れが詰まることで、ダクトに油煙やニオイが逃げることもあります。

さらに、油汚れの蓄積があまりにひどいと火災の原因になることもあります。特に、高温で調理を行う場合や、揚げ物をする場合は、油煙が多く発生し、油汚れも多くなるため、こまめな掃除が必要です。


快適なキッチンを保つためにも、レンジフードの掃除には注意が必要です。こまめな掃除が苦にならないようなレンジフードを選びましょう。


自分に合ったコンロを選ぶ


キッチンの中でも、コンロはとても重要です。


その理由は、安全性、調理性能、掃除などが関係するからです。


  1. コンロの安全性

コンロは火を使うため、火災の危険があります。正しく取り扱わないと、火事につながる可能性があるため、注意が必要です。

IHコンロなら火が出ないから安心と思われがちですが、IHコンロでも温度が上昇したら発火する危険性はあります。温度センサーや自動消化機能など、どのような安全機能がついているかを確認しましょう。

  1. コンロの調理性能

コンロの性能によって、調理の質や効率が変わります。例えば、加熱のスピードや温度調節のしやすさ、火力の調節範囲、グリルやオーブンの有無などが重要な要素となります。

特にグリルは多機能の物が多く、魚焼きだけでなく、ミニオーブンとしてお菓子をつくったり、ピザを焼いたりすることもできます。専用の調理器具を使って、揚げ物や蒸し物もできるため、グリルの活用方法はチェックしておいた方がよいでしょう。

  1. コンロの掃除

コンロは調理の際に汚れやすく、掃除が必要です。IHコンロはとても掃除が楽ですが、ガスコンロも掃除が楽な商品はたくさんあります。

取り外し可能なパーツが多いなど、掃除がしやすい機能を備えたコンロが望ましいです。


また、オープンタイプのキッチンならデザインも重要です。キッチンのスタイルやデザインに合わせたコンロを選ぶことで、美しい空間を作り出すことができます。


以上の点から、コンロは、安全性や調理性能、掃除のしやすさ、デザインなど、自分のニーズに合ったコンロを選ぶことが重要です。


水栓はタッチレスや浄水器を検討する


キッチンは水栓選びが重要です。とくに、タッチレス水栓と浄水器の検討を慎重に行いましょう。


タッチレス水栓がおすすめの理由は、衛生面と便利さです。


タッチレス水栓は水栓のレバーに触れることなく水を出すことができるため、衛生的です。手が汚れている場合でも、水栓に汚れが付着することがありません。また、水栓に水滴がつかないため、水栓が水垢で汚れにくくなるという点もタッチレス水栓の大きなメリットです。

また、タッチレス水栓は単純にとても使いやすいです。手をかざすだけで水が出るため、慣れると自然な動作で食材を洗ったり、手や食器を洗ったりすることができます。


浄水器がおすすめの理由は、健康面とスペースの節約です。


浄水器を導入することで、水道水の中に含まれる不純物や有害物質を除去し、安全で美味しい水を使用することができます。体の酸化を防ぐ効果もあるため、美容にも有効だと言われています。

また、浄水器があれば、ボトルウォーターを買う必要がなくなります。保管スペースが要らないため、収納場所に困ることがなくなります。


タッチレス水栓や浄水器の導入はとても人気があります。要否を考え、衛生面、便利さ、スペースの節約などにつながるかどうか検討しましょう。


キッチン選びの失敗例を紹介


キッチン選びの失敗例を参考にすることはとても重要です。

よくある失敗例を以下にて解説します。


収納が足りない


キッチンの収納が足りないという失敗例は多く存在します。


キッチンに十分な収納がないと、片付けがしづらくなるだけでなく、必要な物をしまう場所を探すのに手間取ったり、物を探すのに手間取ったりすることもあります。その結果、キッチンまわりが片付かず、調理の効率が落ち、使い勝手が悪くなります。


キッチンの収納量を確保するためには、調理器具や食器の量を把握し、十分な収納量が確保できているかを確認することが重要です。今使っているキッチンや食器棚のサイズも正確に測り、収納量が足りているかを確認しましょう。

また、それと同時に、物を処分できないかどうか確認することも重要です。何年間も使用していないものは、おそらくこの先も使わない可能性が高いでしょう。使わないものを収納するスペースほどもったいないものはなく、思いきって捨てると収納スペースの節約ができるかもしれません。


キッチンの使い勝手や調理の効率のためにも、収納量不足にならないように注意しましょう。


オープンキッチンは思った以上に油はねがある


オープンキッチンを選ぶ際は油はねに注意しましょう。


オープンキッチンはリビングと一体化しているため、調理中の油はねや食材の匂いが他の部屋にも広がってしまうことが多いからです。特に揚げ物をするときは、壁、床、場合によっては天井に油がはねます。


そのため、オープンキッチンでは、油はねを防ぐための対策が必要となります。たとえば、壁面にタイルやキッチンパネルを設置する、換気扇を強化するなどの対策のほか、調理中にはシートを敷く、揚げ物のときはついたてをたてるなどの工夫が必要です。


キッチンまわりの掃除に時間をかける必要があるため、忙しい人にはオープンキッチンは不向きかもしれません。デザインも重要ですが、オープンキッチンを選ぶ際にはお掃除のことも考える必要があります。



食洗機の容量が足りない


食洗機の容量が足りなかったという失敗があります。


食洗機は多くの場合5~6人分の食器が入るように設計されていますが、全ての食器がはいるかどうかは当然ながら状況によります。高さのあるボウル柄の食器は場所を取りますし、まな板が入るとそれだけで庫内の大部分を占めてしまいます。


一度に食器を洗うことができなければ、食洗機を二度運転させることになります。光熱費がかかるだけでなく、一度に洗い物が終わらないというストレスも発生します。


そのため、食洗機は大きめを選ぶことをおすすめします。食洗機が大きすぎたという失敗はあまり聞かないので、迷ったら大きめを選ぶほうが無難です。浅型よりも深型、45センチ幅よりも60センチ幅の方が、余裕をもってたくさんの食器や調理器具を収納することができます。


大きな容量の食洗機は、効率的な家事を行うために重要です。家族構成や使用頻度を十分に検討し、必要な容量を確認しましょう。


高さが合っていない


キッチンの作業台やカウンターの高さが体型にあっていないという失敗があります。


キッチンの高さは通常85センチ。これは160センチの身長の方が最も使いやすいと言われている高さです。150センチ以下の方、もしくは170センチ以上の方は、85センチの高さが使いづらいと感じることが多いはずです。


キッチンの作業台やカウンターの高さは、使用者の身長や体型に合わせて計画するべきです。一般的には「身長÷2 + 5センチ」がベストだと言われますが、姿勢や手の長さは人それぞれなので、どの高さが使いやすいかは確認が必要です。


身長や体型を考慮せず、標準的な高さのキッチンを選んでしまった場合、長時間の調理作業や食器洗いで腰や背中などの負担が大きくなり、疲労感や体の不調を引き起こします。快適な作業環境を妨げるだけでなく、健康にも悪影響を与える可能性があるので注意しましょう。


適切な高さのキッチンを選ぶことで、より快適で効率的な家事ができるようになります。


作業スペースが狭い


作業スペースが狭いという失敗はよくあります。


これはキッチンのレイアウトや収納スペースが不十分であることが原因です。キッチン自体が広くても、適切な位置に作業スペースがなく、収納不足で作業台の上に物があふれると作業スペースは狭くなってしまうからです。


作業スペースは広ければ広いほどキッチンは使いやすくなります。作業スペースが広ければ、その分食材を並べたり、お皿を並べたりすることができ、料理の作業効率が上がるからです。


作業スペースが狭いという問題は、家事の効率を低下させるだけでなく、調理中のストレスや事故の原因となることもあります。より快適なキッチンを計画するために、作業スペースや収納スペースが十分に確保されているキッチンを選びましょう。


まとめ


建築家が解説するキッチンの選び方についてご紹介しました。


キッチン選びは、料理や家事の中心となる場所であり、機能性、デザイン性、そして予算など様々な要素を考慮する必要があります。


どのようなキッチンを選ぶかによって、


  • 部屋のインテリア
  • 家事にかかる時間
  • ストレス
  • 体にかかる負担

などが変わります。


マイホームで快適に過ごすためには、自分に合ったキッチンを選ぶことはとても大切です。そのためには、検討し忘れがないように細部まで確認すること、専門家のアドバイスを聞くことが重要。建築家をはじめ、キッチンメーカーやインテリアコーディネーターなどの専門的な知識を持つ人にも相談して、より理想的なキッチンを選定しましょう。

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