かっこいい家をつくるにはどうすればよいのか。
家づくりをする誰もが抱えるこの悩みを建築家が解決します。
雑誌に載るような素敵な家をつくるにはコツがあります。独創的なアイデアがなくても、高級な材料を使わなくても、かっこいい家をつくることは可能です。
この記事では建築家がおすすめするかっこいい家に共通する法則や、計画のコツや注意点をご紹介します。
家づくりを計画している方で、デザインに悩んでいる方は是非とも読み進めてください。
建築家が紹介するかっこいい家の法則
かっこいい建築物に必要なのは、「整理整頓がなされていること」です。
独創的なアイデアや高級な部材でデザインされた家も当然魅力的ですが、窓、塀、換気設備などを整理整頓するだけで家のデザインは格段に良くなります。
たとえば、単純に部屋を片付けるだけでいつもの部屋が見違えるように広く綺麗に見えることはありませんか。これと同じことが建築にも当てはまります。
窓の高さが揃っていなかったり、換気設備の高さが揃っていなかったりすると、家の外観や内観は散らかって見えます。当然、部屋の中に散らかった物と違って、整えることはできず、散らかったままの状態です。
余計なものがなく、ラインが揃った家は視覚的に美しいと感じられます。同じものでも、位置を変えるだけで、高さを揃えるだけでデザインが良くなることも多々あるのです。もちろん位置は高さを変えるだけでは金額は変わらないため、誰でもできる工夫の一つです。
繰り返しになりますが、家をデザインするということは、家に付属する資材などを整理整頓してすっきり見せることです。
そのために必要な計画のコツをご紹介します。
建築家がおすすめするかっこいい外観の法則
建築家がおすすめするかっこいい家の外観には以下のような法則があります。
- 窓のバランスが良い
- 窓が軒天に付いている
- シンボルツリーがある
- 外構と家が一体となって設計されている
以下にて詳しく解説します。
窓のバランスが良い
窓のバランスが良い家の外観はかっこよく見えます。
なぜなら、窓は家の外観を構成する大きな要素の一つで、外観のバランスやスタイルを大きく左右するからです。
窓は建築物の外観において、視覚的に大きな印象を与えます。建築物全体のデザインやスタイルに合わせて、適切なサイズ、形状、配置をすることが重要です。
このときに、
- 隣同士の高さを合わせる
- サイズを統一する
- 上下階で位置を合わせる
などの工夫をするとまとまりのある外観になります。
また、窓は光を取り込むための役割を持っています。バランスよく窓を配置することで、建築物内部に自然な光を取り入れることができ、明るいインテリアにすることができます。
さらに、窓は建築物のエネルギー効率にも関係します。適切な窓の配置により、冬場の温かい日差しを取り込むことで、室内の温度や湿度をコントロールしやすくなり、エネルギー効率が向上します。
窓のバランスを整えることで家は格段にデザインが良くなり、機能性やエネルギー効率も向上します。
窓が軒天に付いている
窓が軒天に付いている家は外観がよく見えます。
窓が軒天についていると、窓上の外壁が無くなり(少なくなり)すっきりと見えるからです。整理整頓の基本は、線を少なくすること。窓を軒天に付けることで、窓まわりの線が少なくなり、すっきり見せることができます。
窓を軒天に付けることで窓の大きさや取り付け高さが変わるので注意が必要です。場合によっては操作がし辛い高さになることもあるため、窓の鍵の位置やカーテンの操作性は確認しておきましょう。
とはいえ、高い窓は外から見ても中から見ても見栄えが良いです。サッシは軒付けにして、かっこいい外観をつくりましょう。
シンボルツリーがある
シンボルツリーがあると家のデザイン性は一気に向上します。
それには大きく2つの理由があります。
1つ目の理由は、建物と自然を一体化しているように見せる効果があるからです。建物は人工物であり自然とは対照的な存在ですが、シンボルツリーがあることで、建物に自然の要素を加えることができます。緑の葉が外壁に馴染んできれいに見えますし、花が咲く木を植えると季節ごとに様々な表情を見せることができます。
自然との調和や季節感は、家の雰囲気をさらに豊かにしてくれます。
2つ目の理由は立体感です。建物がシンプルで平面的に見えたとしても、シンボルツリーを植えることで、建物とツリーが一体となり立体的に見えます。シンボルツリーは、シンプルな家に奥行きを与えることができるのです。
シンボルツリーがあることで建物と自然との調和もとれて、建物がバランスよく見えます。その良い例が、住宅展示場です。シンボルツリーを植えていない展示場はほとんどないはず。どの展示場も建物をよく見せるために、シンボルツリーと数本のサブツリーを植えて造園に力を入れています。
人気の樹種としては、季節感のあるモミジ、ヤマボウシ、カツラ、アオダモなどの落葉樹です。また、一年中葉がついているシマトネリコ、シラカシ、ソヨゴなどの常緑樹も人気があります。樹形の好みや、適切な方角などに合わせて樹種を選択する必要があります。
シンボルツリーがあると、家が自然に溶け込んでいるように見え、立体感や季節感を表現できます。安価な金額で建物の外観をよく見せることができるため、家の形でデザインを検討したり、素材で高級に見せたりするよりも、遥かに効果的かつ経済的です。
外構と家が一体となって設計されている
外構まで一体で設計された家はまとまりのありバランスが良い外観になります。
外構が家と調和していると、家の外観が統一感を持つためです。
例えば、家の外壁の色や質感、門扉やフェンスのデザイン、庭の植栽や照明など、外構の要素を家と一体で考えることで、全体的なイメージが統一されます。統一感があると家の外観イメージが外構まで広がり、家が大きく、洗練されて見えます。
また、外構が家と一体で考えられていると、屋外空間が有効活用され、家の機能が拡張されます。
例えば、庭にテラスを設けたり、車庫をデザイン性の高いものにしたり、門扉にセンサーを設置することでセキュリティ面を強化したりといった具合です。これにより、デザインだけでなく家の快適性も向上し、より素敵な外部空間を作ることができます。
家にこだわって外構にこだわらないのはもったないことです。家と外構を一体で考え、統一感のある外観をつくりましょう。
建築家がおすすめするかっこいいインテリアの法則
建築家がおすすめする、かっこいいインテリアの法則は以下の通りです。
- 銘木にこだわる
- シンプルな間取り
- 最低限の壁量
- カーテンボックスをつくる
- ペンダント照明、ブラケット照明、建築化照明を効果的に使用する
以下にて詳しく解説します。
銘木にこだわる
銘木にこだわり、木質感を高めたインテリアはとても魅力的です。
良質な木材を使用した銘木は木目や色合いが美しく、インテリア全体に落ち着きと高級感を与えるからです。家具やフローリング、壁や天井など、インテリアの様々な場所で銘木を使うことで、空間に自然な風合いや温かみを与えることができます。
さらに、銘木を使用したインテリアは、時間が経過するにつれて味わい深くなるという特徴があります。銘木は年輪や木目が美しく、経年変化によって深みが増し、木材本来の魅力が高まっていきます。このような変化は、より豊かなインテリアの空間をつくり、インテリア全体の美しさを高めることができます。
銘木にこだわった家のインテリアは、本物の質感が与える高級感や贅沢さ、ナチュラルな印象だけでなく、時間とともに深まる味わい深さも与えてくれます。
シンプルな間取り
シンプルな間取りで構成された空間はインテリアが素敵に見えます。
シンプルな間取りのインテリアは、すっきりとした印象を与えることができるからです。無駄のないデザインや配置は、視覚的にもすっきりとして見え、空間を広く感じさせることができます。
また、シンプルな間取りのインテリアは、調和のとれた空間を作り出すことができます。無駄のないシンプルな空間は、色彩や素材の調和もとりやすく、統一感のある空間をつくりやすい特徴があります。このような空間は、見た目の美しさだけでなく、心地よさを感じることができます。
さらに、シンプルな間取りのインテリアは、清潔感があるとされています。無駄のないデザインや配置は、掃除もしやすく、日々のお手入れも簡単です。
以上のように、シンプルな間取りのインテリアはすっきりとした印象や調和のとれた空間、清潔感があるという特徴があり、それらが合わさって素敵な空間となります。また、心地よさや掃除のしやすさといった実用的なメリットもあるため、快適な暮らしを実現することができます。
最低限の壁量
同じ理由で、壁の量が少ない家はインテリアがかっこよく見えます。
壁の量が少ない場合、開放的で広々とした空間を作ることができるからです。壁を取り払うことによって、空間が広がり、より自然な風通しが生まれます。このような空間は、見た目の美しさだけでなく、心地よく、ゆっくりと寛ぐことができるというメリットもあります。
少ない壁量で間取りをつくるのは簡単なことのように感じますが、実はハイレベルな設計です。壁の目的は空間を仕切り、柱や耐力壁を配置できる場所を確保することです。たくさん壁を設けてこれらの条件を満たすのは簡単ですが、少ない壁で構造と間取りを成り立たせるのは簡単にできることではありません。
そのため、よく推敲されていない間取りは不必要な壁が多いことはよくあります。壁が多いと空間が狭く見えてインテリアの印象が悪化するだけでなく、建築費用が上がる、動線が悪くなる、風通しが悪くなる、といったデメリットが出てきます。
壁が少ない家は、開放的で広々とした空間、明るさ、自然とのつながりを感じることができるという特徴があり、それらが合わさってかっこよく見えます。また、心地よさや開放感といった実用的なメリットもあるため、快適に暮らすためにも重要な要素です。
カーテンボックスをつくる
カーテンボックスを設けるとインテリアがかっこよく見えます。
カーテンボックスはカーテンレールを隠し、窓まわりをすっきりさせるからです。
カーテンボックスには、現作タイプと後付けタイプがあります。
現作タイプは天井を折りあげたり、カーテンの前を隠すように壁を作ったりすることでカーテンを収めます。このデザインは、カーテンボックスがまわりの壁と馴染み、とてもすっきりした印象を与えます。
一方で後付けタイプはカーテンレールやロッドを覆うように箱状の商品を施工します。カーテンボックス自体も、カーテンと同じ素材や色、形状で仕上げることで、統一感を高めることができるのが特徴です。
以上のように、カーテンボックスを設けることによって、スッキリとした印象、統一感のあるインテリア、アクセントを加えることができます。窓周りを美しく整え、快適な空間を演出するならカーテンボックスはおすすめです。
ペンダント照明、ブラケット照明、建築化照明を効果的に使用する
ペンダント照明、ブラケット照明、建築化照明を効果的に使用することでインテリアは飛躍的に良くなります。
一般的に使用されるシーリングライトやダウンライトと比較して、これらの照明器具は空間に深みや立体感を与えることができるからです。
例えば、ペンダント照明は、天井から吊り下げられるため、空間を縦に引き伸ばす効果があります。また、ブラケット照明は、壁面に設置されるため、壁を明るく照らして空間を広く見せる効果があります。建築化照明は、間接照明とも呼ばれ、壁や天井を照らすことでやわらかい光を空間全体に拡散してくれます。
これらの照明器具を組み合わせることで、空間の奥行きや立体感をより強調することも可能です。
さらに、照明器具は、インテリアのアクセントにもなります。ペンダント照明やブラケット照明には、個性的なデザインもたくさんあり、空間に強いインパクトを与えることができます。
以上のように、ペンダント照明、ブラケット照明、建築化照明を効果的に使用することで、空間の奥行きや立体感を強調し、アクセントを加えることができます。インテリアにこだわりたいなら照明計画のこだわりは欠かせない要素といえるでしょう。
まとめ
建築家が解説するおしゃれ家を作るコツをご紹介しました。
おしゃれな家を作るのにはお金がかかるというイメージがありますが、それは半分正解で半分間違いです。たしかに、豪華なタイルを貼ったり、大きな造作をつくったりすると見栄えはよいですが、他のパーツをきれいに整えるということを怠ればせっかくのタイルも台無しになってしまいます。
反対に、派手な装飾はなくても、丁寧に整理された窓や効果的に配灯された照明でつくった家のほうがきれいに見えることもあります。お金をかけなくてもできる計画なら、なおさら抑えておきたいですよね。
建築家はもっとかっこいい家をつくるためのノウハウをたくさん持っています。かっこいい家をつくりたい方は建築家に相談し、雑誌やインスタグラムに載るような素敵な家を作りましょう。