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建築コラム

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家のこだわり

2022.12.28

住宅の プランを考える際のチェックポイントを解説!失敗しない家づくりのために大切なこと

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「住んだあとに後悔しないようにプランを考えたい」

「今のプランが自分達に合っているかわからない」


この記事ではこのような悩みを解決します。


住宅を建てるうえでプランはとても重要です。

プラン次第で使い勝手や見た目が変わり、住み心地も大きく改善するからです。


実際は住んでみて気づくことが多いため、後々後悔しないためにはプラン段階で生活を想像し、完成度の高いプランにしなければいけません。


でも、図面を見て実際の生活を想像するのは簡単ではないですよね?


そこでこの記事では、プランを検討する際のチェックポイントを解説します。よくある失敗談をもとに作ったリストなので、これから家づくりをする方の参考になると思います。


主な内容は以下の4つです。


  • 収納は足りているか
  • 暖房が効きやすいか
  • 家事がしやすいか
  • 電気配線計画は適切か

一つずつ解説していきます。


収納は足りているか


収納が足りているかどうかのチェックは必ず行いましょう。


なぜなら、住んだあとに収納が足りないという声がとても多いからです。物を捨てる努力や収納術もよいですが、そもそも最低限必要な収納量が確保できているかが最も大切です。


収納計画が不十分だと必要なものが置きたい場所におけません。タオルの収納は脱衣室にあるべきで、スリッパの収納は玄関にあるべきですが、収納スペースがそこになければ別の場所で保管することになってしまいます。


特にチェックすべきは以下の6項目です。


  • 洋服の量
  • キッチンまわり
  • 洗面まわり
  • 玄関まわり
  • リビングまわり
  • 寝室の枕元

洋服の量


洋服の量はハンガーパイプの長さで考えます。


今使っているハンガーパイプの長さを測り、計画と照らし合わせます。その上で十分なハンガーパイプの長さが確保できているか、上下二段にする必要はないかなど確認します。


そしてできれば玄関の近くに少しでも良いので洋服掛けがあると便利です。帰ってすぐに上着を掛けることができますし、出かけるときに上着をサッと羽織ることもできます。


キッチンまわり


キッチンまわりは物があふれやすいため収納はたくさん必要です。特に食品のストックを置く場所があるかを確認しましょう。


お米、ビン類などの大きいものは床に直接置けるような収納があると使いやすいです。その他の買い置きは小さな棚や小引き出しに収納できるとすっきりと片づきます。


できれば食品庫のようなものがあればベストですが、間取り上確保するのが難しければキッチンキャビネットの下段を利用しましょう。


洗面まわり


洗面まわりはタオルなどのリネン収納を考えましょう。


これらの収納はたくさん設ける必要はありませんが、無かったらとても不便です。余裕があれば部屋着や下着も置きたいところですが、スペース次第で検討が良いと思います。


少しでいいので洗面脱衣室に収納スペースを確保できないか検討してみてください。


玄関まわり


玄関はまず靴の収納を確保しましょう。家族人数×10足分くらいの収納は最低限必要です。


その次に外で使用するけど室内に収納したいものの収納を考えます。ゴルフバック、釣り道具、クーラーボックス、スポーツ用品、子どものおもちゃなど、玄関に収納できたら便利なものはたくさんあります。


通り抜けできるシューズクロークなども流行っていますが、通り抜けより収納量を優先した方が良い計画は多々あります。シューズクロークは人が動くための通路を確保する分、収納できるスペースが減っているので注意しましょう。


リビングまわり


リビングの収納は忘れがちであるにもかかわらず、リビングまわりは物が多くなりやすいです。


少しでいいから収納スペースがあれば片付くのに…というものがたくさんあります。収納スペースがなければテーブルの上に置きっぱなしになり、部屋がかたづきません。


リビングまわりは文房具、薬、本、書類などの小物が多いため、カウンター収納などがあればベストです。カウンターの上で充電ができて、ティッシュやリモコンも置けます。

そしてその下が引き出し収納などになっていればリビングをすっきり使うことができます。


寝室の枕元


寝室の枕元はスマホ、メガネ、ティッシュ、時計、エアコンのリモコンなどを置くスペースがあると良いです。奥行き20センチほどのカウンターが理想的ですが、10センチほどでも十分です。


ベッドや部屋のサイズを考慮し、問題がなければカウンターを設けましょう。


暖房が効きやすいか


暖房が効きやすい間取りかどうかをチェックしましょう。


なぜなら冷房と比べて暖房は間取りによって効きにくいときがあるからです。温かい空気は上昇するため、空間の下部に位置する居住空間は冷えやすくなります。


暖房が効きにくいと余計な光熱費がかかるだけでなく、快適に過ごせません。


温熱環境を図面で想像するのは非常に難しいですが、以下の4点は必ず抑えておかないといけません。


  • 吹き抜けは寒い
  • リビング階段は寒い
  • 日当たりを考えた窓
  • 脱衣所の位置

吹き抜けは寒い


断言しますが、吹き抜けを設けたら部屋は寒くなります。断熱性能が高いから大丈夫というのも一理ありますが、やはりどんな家でも同じです。


繰り返しになりますが、温かい空気は上昇します。つまり空間の上の方から温まっていくので居住空間が温まるまで時間がかかります。


そもそも断熱性能が高いというのは家全体が魔法瓶のような状態になっていることを指します。熱いお茶でもいつかは冷めるように、断熱性能がいくら高くても時間とともに外気の影響を少しずつ受けます。


吹き抜けは開放感があり素敵な空間になりますが、暖房の効きが悪いということは覚えておきましょう。


ちなみに吹き抜けを計画するときは、暖炉、薪ストーブ等の強力な暖房か、輻射熱で効率良く空間を温める床暖房がおすすめです。上下間の空気ムラを解消してくれるシーリングファンも必須です。


リビング階段は寒い


リビング階段も同様です。


吹き抜けと同じように温かい空気は階段から上に逃げ、冷気が階段越しに下りてきます。


温熱環境を考えるとリビングと階段の間は建具で仕切るのが理想です。普段は開放して使用し、暖房をつけるときのみ仕切ります。


日当たりを考えた窓


温かい部屋を設計するためには日当たりがとても重要です。


サッシは日当たりを考慮して計画する必要があります。方角、隣家位置などから最適な位置や形状を考えます。


「日当たりの良い窓を設けると夏は暑くなってしまうのでは?」

という心配もありますが、夏は太陽高度が高いため日中の日差しはほぼ入ってきません。朝日、西日に注意していれば、夏の冷房効率を下げる原因にはなりません。


寒い冬でも日差しが入れば部屋は温かくなります。自然を活かして、冬でも快適なリビングにしましょう。


脱衣所はリビングから?廊下から?


家の中で最も寒く感じる場所は脱衣所ではないでしょうか。

脱衣所には居室にような暖房はなく、服を脱ぐ場所だからです。


脱衣所は間取りによって温度環境が大きく変わります。

玄関ホールとつながっている脱衣所はLDKとつながっている脱衣所よりも気温は低いです。


廊下に面した脱衣所の方が視線や生活音は気にならないので一概にどちらが良いとは言えませんが、温度環境を考えるならLDKからいける脱衣所にすることをおすすめします。


家事がしやすいか


家事がしやすいかどうかで毎日の作業効率が変わります。


家事は終わりのないルーティンワークです。動線や効率があまりに悪いとがんばり続けるのが嫌になってしまいます。


家事がしやすくなる間取りの簡単テクニックを知っておきましょう。知っておくことで対策ができることもたくさんあります。

具体的には以下の3点です。


  • 洗濯動線
  • 掃除のしやすさ
  • キッチンの大きさ

洗濯動線


洗濯動線は快適に家事をするためにとても重要です。


理由は2つ。1つ目は洗濯物の量や重さを考えると動線が長いと大変だから、2つ目は洗濯の使い勝手を考慮しないととても使いにくくなるリスクがあるからです。


たとえば洗濯物を洗う場所と干す場所が離れていると大変です。洗濯物が多いときは何往復かする必要があるためなおさらでしょう。

洗濯には洗う・干す以外にも畳む・収納するという作業があります。洗う・干す・畳むが同じ部屋でできて、その隣の部屋に収納ができたら理想ですよね。


せめて、「洗う→干す」の動線だけでも短くすることを考えましょう。


掃除のしやすさ


掃除のしやすい家を計画しましょう。具体的には、ほこりがたまりにくいように設計することです。


水平面には必ずほこりがたまります。ほこりの掃除は床だけにすることが理想です。床なら最悪ロボット掃除機にお任せもできます。


ホコリがたまる場所をつくらないために、カウンターや間接照明は要否を見直しましょう。家具をなるべく造りつけにして、フロート収納を検討するのもおすすめです。


また、最近はマグネット収納も注目されています。浴室、洗面、キッチンなどでマグネットがつく壁面を計画すれば、収納棚をマグネット式にできます。すると掃除のときには簡単に着脱ができるため、掃除がしやすくなります。


キッチンの大きさ


キッチンの作業性を考慮しサイズを決定しましょう。

具体的には、キッチンの作業スペース、配膳カウンター、家電カウンターです。


キッチンにはコンロとシンクの間に作業スペースがあります。このスペースで野菜を切ったり食材を混ぜたりという作業をするため十分な広さが必要です。


次に配膳カウンターです。対面キッチンの場合はキッチンとダイニングテーブルの間に配膳カウンターがありますが、ここは料理の途中、配膳のとき、後片づけのときに使います。ここが狭いと配膳や後片付けのときに特に困るので適切なサイズを確保しましょう。


アイランドキッチンやペニンシュラキッチンはキッチン本体と配膳カウンターが一緒になったような寸法です。

見えやすいというデメリットがある反面、作業も配膳もとてもやりやすいです。


最後に家電を置くカウンター(食器棚)です。家電を置くスペースが大きいとキッチン家電を収納せずに出したいおくことができます。また、冷蔵庫から出したものを置いたり、電子レンジに出し入れするものを置いたりすることもできます。


食洗器は必須


食洗器を利用することで皿洗いという家事が楽になります。


自分の手で洗わないときちんと洗えているかどうかが不安という方もいますが、食洗器の中では触れないくらいの高温で食器を洗うのでかなりきれいに洗えます。


電気配線


電気配線のチェックは以下の4つです。


  • コンセント不足
  • 照明が明るすぎる・暗すぎる
  • 換気扇の設置

コンセント不足


コンセントはほしい位置にないとストレスがたまります。計画段階なら1カ所あたり数百円で追加できるはずなので余裕をもって計画しましょう。


忘れがちなのは以下の箇所です。

  • 収納の中(掃除機充電用)
  • 階段の上り始めと上がりきり部分(掃除機やフットライト用)
  • キッチンカウンターの上(調理家電)
  • 洗面台の近く(家電用)
  • 寝室やリビング(充電用)
  • 外部コンセント(駐車場用、庭用)
  • 自動車充電用コンセント

照明が明るすぎる・暗すぎる


照明が明るすぎないか、暗すぎないかをチェックしましょう。


デザイン性を考慮したダウンライトは直線的な光のため真下はとても眩しく感じます。そして天井面を照らさないため、部屋全体としては暗く感じます。


シーリングライトなどと比較すると適切な明るさを確保するのが非常に難しい照明です。


そのときは配灯数を多めにしたうえで調光器をつけると良いでしょう。調光機能を利用すると好みや用途にあわせて明るさの調整ができるからです。


換気扇の設置


窓の無い部屋には換気扇が必須です。

納戸、ウォークインクローゼット、シューズクローゼットなどに換気扇はついているかチェックしましょう。


最近は窓のない水まわりも多いです。浴室やトイレはもちろん、洗面脱衣室や室内干しをする部屋にも設置を検討しましょう。


まとめ


この記事で紹介したプランのチェック項目はほんの一部で、誰にでも当てはまりそうなものを選びました。実際はもっとたくさんの確認事項があり、その項目は人によって異なります。


体が大きい人は廊下や扉の幅をチェックする必要があるかもしれませんし、深夜の映画鑑賞が趣味なら防音効果を検討する必要があるかもしれません。


後悔のない家づくりをするためには、あなたの家づくりへの想いを親身になって聞いてくれる専門家と一緒にプランを考える必要があります。

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